壱劇屋(大阪府)
作品タイトル「二ツ巴-Futatsudomoe-」
満足度★★★
台詞なしで、役者の演技と殺陣で物語を見せていく構成に驚きました。キレのあるアクションシーン、くっきりとした輪郭のキャラクターたち、そこに親子のつながりといった普遍的なテーマを絡め、盛りだくさんの内容は満足度が高く、創意工夫のあとが見えました。複雑な手で考えられた殺陣も面白い。ただ動きがなく表情だけで見せる場面は時に再現ドラマのように見えることがあり、演劇/生のパフォーマンスを観る感覚から離れる瞬間があり、課題を感じました。NMB48の久代梨奈さんの動きが素晴らしく、アイドルのポテンシャルを再確認。ゲスト赤星マサノリさんの身体能力も堪能しました。あ・うんの呼吸の見事なアフタートーク、商売魂みなぎる物販まで、観客を楽しませることに徹した劇団力は特筆物です。
満足度★★★
「ノンバーバル(ワードレス)でもここまでできるのか!」と「やっぱり限界があるなぁ」と、両極の感想を同時に感じた観劇でした。言葉がなくても基本的なストーリーは無理なく理解できる一方、人間関係が入り乱れ、さらに殺陣に突入すると、正直その一太刀ひと太刀の背景、理由が読み切れなくなってしまいました。殺陣が軸になる芝居なので、息もつかせぬアクションの一方で、よりドラマのある一太刀もみせてもらえると印象が深まったのではないかと思います。また、もし、それが台詞なしで可能になるとしたら……それは大変な発明にもなりうるのではないでしょうか。
もちろん、エンターテインメント性と表現力を持った身体(俳優)が次々と登場する展開は鮮やかで爽快感がありました。アンサンブルキャストによる水の表現なども(アンサンブルは終始同じ格好なので、敵味方を始めとする役割の変化が分かりづらい面もあったのですが)面白く拝見しました。
人力で、汗を書いて表現する、直球のエンターテインメントに挑んでいると感じました。
満足度★★★★
作・演出・殺陣・出演の竹村晋太朗さんによる前説で少しばかりの設定解説はあったものの、「劇中に台詞は一切無し!wordless殺陣芝居!」という宣伝文句に偽りのない娯楽大作でした。NMB48という女性アイドルグループの2人(久代梨奈、谷川愛梨)が主演ですが、“アイドルとそのファン向けの舞台”にはなっておらず、幅広い客層に届く内容で大変楽しませていただきました。
終演後の物販はやはり長蛇の列。商品も充実していて、劇団員らののぼりで装飾されたロビーは艶やかでした。
満足度★★★
エンターテイメントとして面白く見た。布を使った水の表現や人力で矢を飛ばす演出も、一歩間違えばチープになりかねないところをカッコよく見せていて◎。少年マンガ的な敵キャラや武器、必殺技(?)も楽しい。
一方、物語には疑問を感じるところも多い。言葉なしでやるのであればもっとシンプルな筋でもよかったのではないだろうか(そもそも言葉なしでやる必要性もよくわからないのだが……)。特に疑問なのがラスト。