演劇企画集団LondonPANDA(宮城県)
作品タイトル「平穏に不協和音が」
満足度★★★
人と人の間にある感覚のズレ、女性性とは? 男性性とは? ……普遍的で興味深いモチーフが周到に散りばめられた作品だと思いました。ただこの難しいテーマをワンシチュエーション、二人芝居という高難度な設定にしたため、さばき切れていない箇所があり、物語展開に無理を感じる箇所が複数ありました。俳優二人はとても魅力的でした。
満足度★★★
夫婦間の「あるある」な齟齬から「ないない」(?)な秘密の暴露まで、心を開いて話し合い、分かり合いながら、離婚を選択する、そのプロセスに引き込まれました。二人が抱えてきた秘密は、多少突拍子なくも思えますが、それでも結論が出る朝までの時間を、ドキドキしながら見守ったことは確かです。
出演者のお二人も、しっかりとその場に存在しながらも、余白(謎)を残す佇まいが印象的でした。
惜しむらくは、子供の存在がほとんど感じられなかったこと。もちろん、会話には登場しますし、別れ話の発端には育児が絡んでもいます。
ですが、キレイに片付けられた部屋、「養育費はいらない」前提の離婚話、離婚後連絡がとれなくなるというエピローグには、小さな子供の影は感じませんでした。夫婦の関係によりフォーカスするためだったのでしょうか。ただ、そうだとするならば、あのラストはかなり怖いものにも思えます。
満足度★★★★
3歳の子供がいる若い夫婦の“離婚ラブストーリー”は、上演時間が約1時間20分とコンパクトにまとまった二人芝居でした。正方形の舞台の隣り合う二辺に客席があり、劇場に入って左側の客席から英語字幕が見られます。
舞台はフローリングの居間です。現代風のシンプルな棚にはフォトフレームやオブジェなどが飾られており、イスとテーブルのデザインはイームス風。清潔感のあるおしゃれな部屋で、秘密暴露大会が始まります。二人の立場や関係の変化を細やかに描く会話劇になっていました。出演者の浦川拓海さん、中村美貴さんと作・演出の大河原準介さんが、戯曲と格闘した跡がはっきりと見て取れる真摯なストレート・プレイでした。
こりっちの広告がエントランスの階段の壁に貼られており、終演後には大河原さんが「CoRich舞台芸術まつり!2018春」の宣伝をしてくださいました。
満足度★★
俳優の力で一応は見られるものになっていたものの、面白いとは思えなかった。二人芝居を展開するために会話の中で新事実が次々と提示されることになるのだが、それらがいずれも物語を展開するためのネタとしてしか機能していない。展開自体がエンタメとしての面白さに結びついていればそれでもよいのかもしれないが、残念ながらそうなってはいなかった。夫の女装が単なるネタの一つとして登場していた点には特に疑問を覚えた。