LOVE BATTLE FIELD

情熱のフラミンゴ（東京都）

公演に携わっているメンバー：6人

団体紹介

2012年、ダンサー・服部未来の自宅で開催されたハウスパーティで、フリーターの島村和秀が情熱のフラミンゴという即席的なユニットを作り演劇を披露。一夜限りのつもりが想像以上の反響を受け、その後も音楽イベントや服部が主催するパーティで情熱のフラミンゴとして中短編の演劇を上演。

2015年、西調布一番街つくるまちプロジェクトへの参加をきっかけに島村主宰の劇団として本格的な活動をはじめる。西調布一番街にぽっかりと浮かぶような佇まいのアトリエ「浮ク基地」を拠点に、演劇作品のほか、ダンス、映画、音楽と多岐にわたる表現を展開。また、調布市民に向けたワークショップを行う。

社会の見えづらい幽霊のような存在に焦点を当て、見落としがちな何気ない振る舞いに意義を見出し、価値観の変化や居どころの変遷、つまり諸行無常を喜劇的な批評性で描くブラックユーモアが特徴。《第7回せんがわ劇場演劇コンクール》にて演劇作品『きれいなひかり』がグランプリあわせて3冠受賞。

2017年せんがわ劇場にて、魔法が使えなくなった魔法使いたちの最後の学生生活を描いた『ハリー☆ポッタァーと曖昧なアーチの向こう』で初の劇場公演を成功させる。

応募公演への意気込み

応募作『LOVE BATTLE FIELD』は、家族間の愛は無償なのか有償なのか、また、だれまでを家族として愛を振る舞い、同時に享受してよいのか、愛の質とレンジを考える作品です。

近未来の埼玉郊外にあるパン屋を舞台に、その家族の息子が起こしたレイプ事件によって離れていた家族が集まり、家族の本音が交差しながら、それぞれの岐路を迎える内容となっております。

情熱のフラミンゴはとてもクラシックな一面を持つ演劇団体だと自負しています。作演出を務める島村の戯曲はドラマの解体/再構築やドキュメンタリーシアターのようなガイドブック的なものではありません。神話的物語体系に則った大きな物語の構造を現代的なリアリティーに重ねて描きます。一方で、情熱のフラミンゴの団員はパフォーマーとして野蛮 ——落ち着きのなさや尊大な羞恥心。硬い身体、音程の取れない発声、演劇的コンテクストを無視した発想—— であり、かつその野蛮さをキュートにコーティングする愛嬌を持っています。

本作『LOVE BATTLE FIELD』では情熱のフラミンゴの現代的でクラシックな物語世界にカリカチュアされたモンスター的パフォーマーが挑み、更に経験豊富な客演陣を迎え “既知”と“未知”が拮抗しながらも調和し合う情熱のフラミンゴらしさ最高純度の作品にします。

将来のビジョン

信仰の拠り所がない日本においてパーティは、無機的でカオスな経済の循環と衛生的な社会に身を置くヒトが抱く安心感と疎外感を昇華させる祭りだと捉えた場合、情熱のフラミンゴはその祭り手としてのポテンシャルを底上げするため、（そして好きだから）今後も西調布アトリエ「浮ク基地」を拠点にしたパフォーマンスイベントを定期的に開催しつつ、劇場公演を年に2度ほど上演する予定となっています。現代の祭りの昇華のあり様を吸収して、独自性と現代性を更新しながら情熱のフラミンゴを舞台芸術の大海に流し、渦を巻こうという算段です。