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- 舞台芸術まつり!2018春
- 応募作品
赤い水槽
人生旅行(東京都)
公演に携わっているメンバー:8人
- 団体紹介
- 2016年結成。日本大学芸術学部演劇学科で結成された劇団。全作品の脚本を山崎元晴が手がけ、演出をいとうけいすけが担当することもある。登場人物の深い記憶を詩的な言葉で掬い上げ、芸術家や傍観者など視点から葛藤を描く。
構成員は、山崎元晴(作・演出)
秋庭颯雅(照明・技術監督)
武井太陽(俳優)
いとうけいすけ(演出・俳優)
中村康太郎(俳優)
以上5名。
2016年11月に日芸内部で公演を行い劇団結成。翌年2017年2月にシアター風姿花伝にて、旗揚げ公演「#001 ライオンの仔」上演。孤児の小説家の苦悩の物語。
同年8月、シアター風姿花伝にて、「#002 汽車からの眺望」では、汽車が通る線路から見える丘の上に立つホテルで活躍した天才ギタリストの、己の過ちから全てを失っていく物語を上演した。
同年12月、ブローダーハウスにて、「人生旅行#003 霜月の非常」では、川端康成の書簡から着想を得た会話劇を上演した。
文学的な世界観と記憶の中や夢の世界のような舞台空間作りを行っている。
- 応募公演への意気込み
- 戦前、フランスに渡り、30歳手前で早世した画家夫婦がいました。この板倉夫妻は、ハネムーンでハワイを経由し、夫・鼎の念願の地、パリに到達しました。しかし夢にまで見たパリにいる間、彼は得意だった風景画を描かなくなり、残されているほとんどは、室内の水槽にいる金魚の絵と、赤い服を着た虚ろな目をした妻須美子さんの絵ばかりです。日本では戦争に向かう暗い一途をたどっています。
夫を敗血症で亡くした後、妻須美子さんはハワイでの思い出ばかりを絵に描き、その中に鼎さんの姿を探すように、絵を描き続けました。が、須美子さんも帰国後、結核により25歳の若さで亡くなりました。
本作は、劇の始まりを、彼らが生きた時代のちょうど100年後にあたる現代に設定することにしました。こうした仕掛けがどのような効果をもたらすか、まだはっきりとはわかりませんが、どこか当時と似た空気を帯びてきた現代を、新しい視点から照射できるのではないかと、今から武者震いをしています。
若い劇団ではありますが、より多くの方々に楽しんで見ていただけるような作品を上演できるよう制作いたします。
- 将来のビジョン
- 人生旅行は、「記憶」を辿ることでその先を見据えようとする創作活動を行ってきました。毎公演、文学的な世界観と「曖昧な記憶」の空間作りの美を探求しています。言葉も、美術も、音楽も、演技も、より美しいものを探ってそれぞれが試行錯誤し、カンパニー全体で舞台を立ち上げるような劇団です。
この先も年に一度は公演を打ち続け、より多くの方に認知していただき、劇場に足を運んでいただけるような劇団にしていきたいです。
そのために劇団での活動はもちろん、個人での活動の場を広げ、自分たちの表現の幅を広げていきます。
また、番外公演含め、過去公演してきた6作品では、劇団員の5人に加え、毎回参加してくれている信頼できるスタッフや俳優の方も次第に増え、互いの長短をよく理解したカンパニーができるようになりました。
今後は新たな仲間と出会う機会を増やし、新しい表現の開拓を図るのと、劇団力の向上を目指し、劇団公演を続けていこうと思います。
公演に携わっているメンバー(8)