ラスト・ナイト・エンド・ファースト・モーニング

悪い芝居（京都府）

公演に携わっているメンバー：17人

団体紹介

　京都を創作拠点に活動する劇団。2004年12月24日旗揚げ。メンバー数16名。演劇でしか出来ない体験を得ていただくことを第一のモットーに、京都で創作した作品を東阪二都市で発表するスタイルで、コンスタントに公演を打ち続けている。近年では主に、生バンド演奏を取り入れた音楽劇と観ている人たちの想像力を過剰なまでに刺激する“想像の中で作り出される現実を越えたリアリティ”を重視した作品を上演している。
　山崎彬による芯の強い物語と、ミュージシャンとしても活動する岡田太郎によるオリジナル音楽を使った演出に乗って、アクの強い所属俳優たちが舞台上を駆け巡り、幅広い観劇層からの支持を得、公演ごとに動員を伸ばしている。
　vol.12『駄々の塊です』で第56回岸田國士戯曲賞最終選考および佐藤佐吉演劇賞最優秀作品賞受賞、またvol.16『スーパーふぃクション』は文化庁委託事業「平成26年度時代の文化を創造する新進芸術家育成事業」として上演が行われた。そしてvol.18『メロメロたち』で第24回OMS戯曲賞大賞を受賞した。

応募公演への意気込み

　今作は『記憶』と『記録』をキーワードに物語を展開させてゆきます。思い出のないまま大人になってゆくことを恐れる女が、記憶のない男や、忘れられない女、思い出したくない男たちと出逢いながら、やがて、何年後かには絶対忘れてしまうと決まっていることを自覚しながら今を記憶に刻んでゆきます。
　劇場に足を運ぶことでしか体感できない演劇は、観客自身が実際に今生きている時間そのものに魔法をかける表現だと考えています。
　本作では、今目の前で行われている演劇でさえも忘れてしまうということを、常に心に置いて時間を進めてゆく工夫をすることで、忘れたくない時間を作りたいと考えています。
　物語も、そのための演出(企み)も、すでに具体的にあります。３月頭から一月半ほぼ毎日行う予定の稽古が待ちどおしてくてたまりません。

将来のビジョン

　現在、関西在住のメンバーと東京在住のメンバーが半々で所属しており（関西8名、東京8名）、作品の創作は京都で行いながらも、公演の合間は各地の現場で活動しています。また、外部活動などで京都のみ、東京のみの作品にメンバーそれぞれが関わる場合も、各地のお客様が遠方から足を運んでくださいます。
　二都市を股にかけた広い範囲を拠点に活動しているのが悪い芝居の特徴であり、将来的にも「劇団ごと上京」という予定はありません。それは京都がモノづくりをする上で非常に良い環境であることはもちろん、場所を限定しないことで劇団活動だけでなく個人活動もより豊かになると実感しているからです。
　演劇はとてもアナログですが、だからこそ、作り手受け手双方を能動的に動かす力がある。今後もこのスタイルをより発展させるべく、京都や東京を作品発表の中心にしながらも、日本各地で当たり前に劇団公演ができる、「悪い芝居の公演はどこでやろうと生でみたい」と言われる、場所を問わない"拠点日本の漂流劇団"になってゆきたいです。