再生ミセスフィクションズ2

Mrs.fictions（東京都）

公演に携わっているメンバー：10人

団体紹介

ポケットに残った最後の小銭でカップ酒を買うか、公衆電話で家族に最後の別れを告げるか迷った挙句、小汚い自販機へ足を向ける。薄い投入口に上手く照準を合わせられず取り落とし(何せ一週間もロクに食ってない)転がっていくコインを虚ろに眺めながら、まるで自分の人生の答案用紙でも見せつけられたような気分だった。この世のすべてを呪いながら卑屈に背中を丸めて、雑居ビルの地下階段に吸い込まれていく全財産を追いかけた先に広がっていたのは潰れたディスコの廃墟、そこに偶然まったく同じ理由で居合わせた男達で結成したのがMrs.fictionsだったと思う。違ったらごめんなさい。
名前は好きに呼んでくれて構わない。「ミセス」でも「フィクションズ」でも「15分の人達」でもいい。一応2007年に便利かなと思って名前を付けたけど、適当に付けたから意味はない。他の候補は「ザ・マウンテンポリス」とかだった。でも今は「現実のよき伴侶に」っていう意味をこじつけて、それが結構気に入ってる。現実を生きるのにどうしても酒の必要な人がいるように、どうしても虚構の必要な人だっているはずだろ？違ったらごめんなさい。

応募公演への意気込み

公演への意気込みは常にあるよ。今回は再演公演だから、とにかくお客さんに満足してもらえる公演にしたい。
来場者全員に今公演のDVDをプレゼントしたり、チケット代わりにステージ毎デザインの違う怪人カードを配ったり、売れっ子ポップンマッシュルームチキン野郎の吹原幸太氏をゲスト演出に迎えたり、よせばいいのに新作もまぜた。いつだって準備する時間は足りないけど、人生ってのはそういうものだろ？違ったらごめんなさい。
ただ、こりっち舞台芸術まつりに関しては正直縁が無いと思ってたね。俺たちは3月～5月にほとんど公演を打って来なかったし、ようやく2015年3月の『再生ミセスフィクションズ』で時期が合ったと思ったのに何故かその年だけ開催中止だったから。嫌われてるのかな。
まあ今回だって再演だし短編だしそもそも企画にはそぐわないのかもしれないけど、せっかく時期が合ったんだし、参加してる佐藤佐吉大演劇祭2018in北区を盛り上げる意味も込めて色々なアプローチをしたいと思う。何より今これを読んでるあなたが観に来てくれるきっかけになったら嬉しい。

将来のビジョン

将来のことはわからない。ただ今回やる4本の短編の中にある『上手も下手もないけれど』という作品は、15分しかないのに2016年度佐藤佐吉賞で最優秀脚本賞を受賞してしまったので、せっかくだからたくさんの人に観て欲しい。
東京での上演は今回で2回目になるので、出来れば別の地域でも上演してみたい。日本中のお客さんに観てもらいたいのはもちろんだけど、この作品は楽屋もので、生まれて初めて創作をする仲間たちのことを思いながら作ったんだ。だから日本中の舞台創作に関わる人たちにも観て欲しいし、今回がそのきっかけになったらとても嬉しい。