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サーカス物語

サーカス物語

SPAC・静岡県舞台芸術センター

静岡芸術劇場(静岡県)

2016/11/29 (火) ~ 2016/12/23 (金)公演終了

満足度★★★★★

『モモ』『果てしない物語』の作者としてのみならず、現代文明の終焉を警告する「ファンタジー」の効用の主唱者という印象のあるミヒャエル・エンデ。その理由は例えば「モモ」で暗躍する<時間どろぼう>というキャラ一つ思い起こせば、納得できる。だが彼の晩年の作品(戯曲作品)である『サーカス物語』には彼の言わせたい言葉がバタ臭いほど率直に、道化のジョジョの口から出てくる。作者の意図というか思いが伝わる分「人物の具体的な行動」をみせる演劇の舞台としては、最後はいささか観念的な、語りの攻撃に対して敵が崩壊して行く形になっている。この戯曲の難しさを、どう克服しているのか・・・それが最大の関心でまた静岡くんだりまで足を運んだ。
ユディというインドネシアの演出家による、観れば合点されるだろうインドネシア色の、従ってアジア的要素の強い舞台だった。とはいえ異国情緒に傾かず、広がりのある普遍性の高い表現になっている。
この戯曲のもう一つの難関である「大きな溝を隔てた向こうの山とこちらで勝負する」場面では、逆光を当てると影絵風の陰影が模様に浮き上がる布を吊って「山」を表現し、その背後で、「語り」に即した影の演技が展開する格好。これもなるほど、だ。
また、「難度」の高さは、サーカス団員が「技」を心得た「様子」である必要。これも、大技を見せずともそれらしく見えていた。人形片手に腹話術で皮肉なコメントを挟む役が一人、技術をこなし、他は動きの身軽さ、全体のアンサンブル、白のメイク。
だが・・実際はそんな審査をする暇も隙も舞台にはなく、俳優らが「俳優」として立ち喋る冒頭からの「サーカス物語」、また物語上の「現実」から劇中物語へと、入れ子構造の大半は最も「内側」のファンタジックな物語だがこのモードの推移に目が離せず、持って行かれた。
劇中で語られる方の物語世界のルールは、「語り手(ジョジョ)の気まぐれ」のせいかいささか都合が良いが、これには聞き手が居て、半年前からこのサーカス団に加わったらしい少し知恵遅れのエリがジョジョに「お話」をせがんだのである。このエリという存在が、「現実世界」で団員たちをある選択の場に立たせる事になる。劇中物語(魔女の住む世界での、お姫様と、彼女がその「影」に恋した王子との物語)は、途中「現実」の場面を挟むが、この「現実」にも「劇中物語」の要素がはみ出ていて、現実世界がファンタジーに浸食されている風だ。(現実の)団員たちも「物語」に参入し、力を合わせて難題に立ち向かう事となる。
この劇中物語が一つの尊いメッセージを紡いで(その力をもって)大団円に至った後、サーカス団の「現実」が待っている。彼らはこの仕事を続けていく(生きのびる)方途を探していた折り、会社が長期契約を希望しているとの朗報がもたらされたが、それには条件が付されていた。一つ、サーカス団は会社の宣伝に協力すること。そして、不要なもの、付加価値を下げると予想される存在は切り離すこと。苦渋の選択を迫られた時、彼らはどうしたか・・
思えば随分ステレオタイプなドラマの図式が、新鮮に感じられたのは、彼らの行為が自然で、切実で、美しかったから。皆一様に「弱い」存在、だから「切り捨てる」事は出来なかったとも言えるが、うまい話を蹴らざるをえなかった「悲しみ」も、深い。「良い生活」への憧れは彼らには正当なものだ。

その前、「物語」において敵=蜘蛛女の山が崩壊したとき、落ちた布の向こうにサーカス団員たちが一列に敢然と立つ姿が現われる。どこか欠陥のある個性的な一人一人を興味深く眺めていた私は、彼らが初めて見せる姿・・心を一つにして力強く、頼もしく・・演出は彼らの頭上から灼けるばかりの光を降り注がせたが・・地を踏んで立つ勇姿に涙せずにいられなかった。(Gメン75が懐かしかったか)

ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常

ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常

空宙空地

津あけぼの座(三重県)

2016/05/28 (土) ~ 2016/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/05/29 (日)

関戸哲也・おぐりまさこの向こうを張れる実力派俳優 熊川ふみ・伊吹卓光を招き、二人芝居Wキャストまでラインナップとしたことで、実質"通し"でこそ楽しめて芝居の理解も深まる好企画。空宙空地の強みは芝居だけでなく、この企画力にあるなと実感。
以下、ネタバレBOXに個別の感想を書きます。

ネタバレBOX

【ストーキングブルース】壮絶な脚本。インパクトでは今回一番。無駄にハイレベルな変態の異能感が凄まじく、伊吹さん怪演、すげー生々しい。一方で恐怖と笑いだけにフォーカスするでなく、変態にもそれなりの一線とポリシーがあるなど、作家の変態への愛が感じられて、関戸さんは何者も見捨てはしないな…と感心。とか言って、最後すんげー怖いし、息つかせぬ。今回はコレが一番好きかな。

【ラブミエテンダー】クリエーション作品とは思えぬ軽快なテンポ。これで本公演の幅が拡がっている感強く、侮れない。7×9に出てた古部さん、コメディでもイキイキとしてましたね。数々の名言が生まれましたが、「ようこそ三重へ、津っ津、津っ津♪」のフレーズが脳裏から離れないw

【サプライズ】熊川さんの表情の起伏すごい。アレだけで見応えあったし、ラストずるい、ツンデレの極致、萌える。男の空気見えなさ加減は関戸脚本の真骨頂ですが役者違うと新鮮で伊吹さんだと許せてしまうのが不思議。あれ演ってるの関戸さんだったら、あのラストは許されないと思うw

【ずるずるひやむぎ】色々と伏線効いててしっかりした作り。無駄無さ過ぎともいえるが、ミステリーじゃないし、短編だし、いいトコかと。おぐりさんの不機嫌そ~な芝居は鉄板ね。あそこからの落差がホロリとくる。そして、あんなに食べる芝居、初めて観た。おぐりさんの胃袋が心配w

【ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常(関戸哲也・おぐりまさこ)】走馬灯の演出は今までの空宙空地に無いポップさで新鮮。あの手のダメ男を演らせると関戸さんの右に出るものはいない(褒めてる)。「豚汁の中のグミ」の名言は忘れられないわ。ラストの壮絶な駄々には魂が篭ってて切なさ過ぎです

【LAST TRACK】ダブルB面フォノグラフで観てますが、同じ空間で複数のシーンを成立させる演出、関戸さんの因縁付け芸・粉吹き芸のキレはそのままに、おぐりさんの役どころまで変えたことで変わる表現や印象の違いが興味深い。

【ふたり、目玉焼き、その他のささいな日常(熊川ふみ・伊吹卓光)】役者が変わることで受ける印象がかなり変わるのに驚き。愚行も切なさもライトでポップになって異なる味わい、一粒で二度美味しい。
義経千本桜—渡海屋・大物浦—

義経千本桜—渡海屋・大物浦—

木ノ下歌舞伎

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2016/05/27 (金) ~ 2016/05/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/05/28 (土)

一つのシーン、セリフを様々な切り口で描き、語り、伝える。ある時は現代の若者の…しかも敢えてチャラい語り口で軽く分かりやすく、ある時は歌舞伎に忠実に即して威厳を漂わせる。多彩な楽しみを与えるだけでなく、多視点でより深い理解を誘う…現代人により大きな共感を生む、そんなマジックのような舞台でした。
演出では、衣の使い方なんて極めて印象的で、目に美しいだけでなく、その意味を考えるとあまりにも切ない、哀しい。
音響の使い方も痺れたな…安徳帝の詩が心に響く。選曲も大胆で、トークでの選曲意図の回答は割と安直なものでしたが、現代の人が同様な感情を想起できる曲が背景なのかな…と感じていて、「媒体を身近なものに差し替えることによる理解と共感の促進」が本作の演出全般に言えるなぁ。大満足。

四月になれば彼女は彼は

四月になれば彼女は彼は

弦巻楽団

津あけぼの座(三重県)

2016/05/21 (土) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/05/21 (土)

紙風船の戯曲に役者でオリジナルの人間関係を重ね、芝居を繰り返し演出を変えていくことで男女の想いの機微を表現している風。とても繊細。特に棒読みを多様に使っている印象で心地よく混乱した。欲言えば演出パターンはお遊びでもう少し追加が欲しいな。役者の人間関係を色々想像させつつも、最後に意外なオチが用意されていて、幕引きも良かった。
実は紙風船自体は観たことがないので、終盤はどこからオリジナルになっているのか戸惑いもあったが、こんな経験、中々出来ないね。面白かった。

トゥルムホッホ

トゥルムホッホ

星の女子さん

ナビロフト(愛知県)

2016/05/12 (木) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/05/14 (土)

メルヘンを現代に馴染ませ、かつ未来を見通しているかのような作り。突拍子もない思惑がトントンと進んでいく辺り、やはり根幹はメルヘンなのかな。悲愴な時代を背景に、それを嘆きはするけど恨むでなく、朴訥に生きる者達の不思議な空気感が心地良い。岡本さんの感情があるんだか無いんだか分からない微妙なバランスの芝居がそれを作ってる印象。一方、鈴木さんの役どころはコミカルでシニカルでダーク・・・表情で場の空気を変える。劇団両女優が良いバランスで芝居を引っ張ってたな~。もはや定番となった二宮さんの芝居は安定して面白く(照れる芝居好きやわ~)、客演陣も新しい空気注ぎ込んでる感じ。ビンタ封じられた(?)元山さんの渾身の照れ隠しが宿る右拳w、平手さんは個性を活かされた感のある配役がハマってた。

しずかなごはん

しずかなごはん

劇団ジャブジャブサーキット

三重県文化会館(三重県)

2016/05/07 (土) ~ 2016/05/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/05/07 (土)

やっぱ再演で観れて本当に良かった。専門家の全面協力を受けているだけあって、丁寧に、緻密に練られている会話の端々に、リアリティはもちろん、苦しむ患者と医療・支援関係者への愛と敬意に溢れてた。
もう、本当に会話がいいよ。特に会話の片方の声しか聞こえない電話でのコヤマさんの演技とか痺れたなぁ。
なお、全編の中で一つだけ認めたくない"割とありふれた台詞"があるんだけど、そう言う引っかかりも含めてリアリティかな。
ミステリーの、特に謎解きはちょっと遊びが過ぎる気もするけど、アレがないと話が重くなる一方だから、バランスとしての効果を担うのかな〜とか、つらつら後味お楽しみ中。本当、観れて良かった。

Cheeky,Noisy,Holy Night

Cheeky,Noisy,Holy Night

Cheeky☆Queens

STAR☆JACKS STUDIO(大阪府)

2016/12/23 (金) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/12/25 (日)

Cheeky☆Queensからのクリスマスプレゼント。5月に公演された「アタシたちには明日しかない」のクリスマスバージョン、再び彼女たちに再会できた。眼前に繰り広げられる過去にはショックを受けた、ストーリーもだが彼女らの演技に引き込まれていった。薫さん、皐月さん、英実さん、悠里さん、ルー・メイ、ジーン、ロビン、ティコ、彼女らとのクリスマスは素晴らしいものに成った。潤んだ瞳と輝く眼差し、指先にまでも彼女らの演技力が表現されていた。厳しく兄貴分からの指導があったのではないか、ガンマンに保安官、猟師、バッファローそして案山子など色々な所で妹分を盛り上げておられ、想いが伝わってきました、感謝申し上げます。来年四月のStage#002が今から楽しみです。Cheekyの皆さんお疲れ様です。有難う御座いました。

観客

観客

劇団クセックACT

愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)

2016/04/28 (木) ~ 2016/05/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/05/01 (日)

自身の知識不足も甚だしく、現代の一般知識ではリカバリィ不能なので最初からそこは捨てて身体表現に集中。顔面の隅々含めた身体全体での表現が集団で行われる様に圧倒された。部分はなんとなく伝わって、観客というものの滑稽さも我が身になぞらえて楽しかった。

2020

2020

西尾佳織ソロ企画

トーキョーワンダーサイト本郷(東京都)

2016/12/22 (木) ~ 2016/12/24 (土)公演終了

満足度★★★

西尾佳織が作、演出、出演の三役を兼ねた一人芝居。「劇作/演出/演技の担う領域について検証したいという思いからこの企画を開始」したそうだが、その結果、分業というものに意識的になったのか、作家、演出家、役者の三者が自立して互いにもたれ合わず、互いを制し合っているような、緊張感のある劇に仕上がっていた。

ネタバレBOX

演劇による境界論として興味深く鑑賞。その一方で「で、だから結局、境界って何なのさ!?」という究極的疑問が最後まで拭えなかったが。
4センチメートル

4センチメートル

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2016/12/21 (水) ~ 2016/12/29 (木)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/12/23 (金)

初めて行った劇団でしたが、自分のテイストにあっているな〜と感じました。 テーマは非常に硬いんだけど、これを感動的なストーリーに仕立て上げるって凄い。 音楽劇になってることでテンポが良く進行するのも奏功。 さらに驚いたのは舞台装置の展開(これ以上はネタバレなのでここまで)。後半への盛り上がりと、ラストの内容はきっと客席は100%分かっているのにも関わらず感動の嵐。 涙、涙と最後はトリプルアンコールでした。 余りに良かったので明日も行くことにして今年の舞台見納めにしようかと。

キダリダ→

キダリダ→

wonder×works

俳優座劇場(東京都)

2016/06/02 (木) ~ 2016/06/05 (日)公演終了

展開の中では色々ありましたが、思ったより重い話ではありませんでした。

ネタバレBOX

政治色はそれほど強くないのですが、逆にそこが物足りないというか期待とは違ったというか。だからこそ描ける世界があったのではないかと思いました。
リング・リング・リング2016

リング・リング・リング2016

ギャンビット

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2016/06/23 (木) ~ 2016/06/30 (木)公演終了

満足度★★★★

舞台上で結構リアルなプロレスを見たのは初めてです。
とても面白かった。

ネタバレBOX

内容は昭和のにおい漂うちょっとノスタルジーな世界。
今年はこの「ちょっと昭和のにおい漂うノスタルジー」という作品を多く見たように思います。流行りなのかな。
つか作品も本当に20年ぶりとかそんな感じで堪能し、色々な記憶が蘇るドラマチックな舞台でした。
「ツキウタ。」ステージ 第二幕 ~月歌奇譚「夢見草」~

「ツキウタ。」ステージ 第二幕 ~月歌奇譚「夢見草」~

ツキステ。製作委員会

Zeppブルーシアター六本木(東京都)

2016/10/27 (木) ~ 2016/10/31 (月)公演終了

ヘナレイデーアゲイン

ヘナレイデーアゲイン

AnK

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/12/22 (木) ~ 2016/12/26 (月)公演終了

満足度★★★

ブリジット・ジョーンズの日記・・かなぁ
近しい感想は・・・・

んで 楽しげな舞台上とは異なり
客席は肩のぶつかる
舞台の見辛いトコとなり
あんまし作品世界にのめり込めなかった・・・

視界が(凹)をひっくり返した感じの視野となり
ちょうど舞台中央が前列の方の頭部で遮蔽されてしまっていたです・・・

あまし舞台を見れないのは周囲の方も同様のような感じを受けたです
なので作品の楽しさは
あまし感じ取れなかった約100分の話

ネタバレBOX

インパクトのあるはずの
舞台中央の事務デスクから飛び出す主人公のHNの擬人化さんの
登場シーンは上記の見え方の為に
まったくインパクト無く・・・
始終中央部の視覚情報に欠けた状態での観劇は
想像力の育成には向いたが
普通に舞台作品を楽しむ環境には向いてはいなかったです

ただジェンダーの見え隠れする
台詞に笑えた所もあるにはあったんで
(薄目で見れば美人・・)
星数は結構おまけ増量感ありです

おじの紹介で24時間フレックスの事務所
(HPとか雑誌の校正やレイアウトとかをするとこのようです)
人と接するのが嫌で夜に出社し明け方に帰宅する生活の中
合わない男性社員(上司含む)2名と
非公開の日記ブログにハッキングしてきた
ヒロと名乗る性別不詳の人物に文章表現を気に入られて懐かれ
ハンドルネーム(HN)の擬人化=モモとかと繰り広げる
ドタバタ群像劇ですかな
脳内妄想芝居とかダンスとか
いろいろとユニークに見せる一人称劇であります

シンザブロウ狸8代目の話は無くてもよかった気がした

いろいろと脳内での
ラブロマンスの発展を小芝居で見せるのは面白かった
まぁオチは一人突っ込みにならざるを得なかったですが・・・

都会での生活という夢の実現を
一部は叶えながらも
理想としたい生活に現実が近づいてくれないモドカシさが
面白可笑しくは表現できていました
(作品雰囲気はアメリって感もあるかしら・・・)

モモ:主人公の1人格、以前主人公が親友として好き過ぎて
彼氏を寝取った元親友の名を冠している
心の声等をしゃべる進行役=主人公かな
小野薙:新宿のオフィスに勤めるOLさん=主人公
非公開のブログに愚痴等を書き綴ってます
ヒロ:北海道在住の独学ハッカー資格試験合格で
家を出たがっている=両親との不仲あり
ベレー帽が似合ってた(^。^)
成田ユキオ:橘のりお=ブログ上にてゴブリンネームで
呼ばれてる主人公の嫌いな職場の同僚と上司
ヘナレイデーアゲイン

ヘナレイデーアゲイン

AnK

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/12/22 (木) ~ 2016/12/26 (月)公演終了

満足度★★★★

孤独を好む女性が愛しくなるような…。
初見の劇団...この公演は、人の心情と少し変わった暮らしという生活感の捉え方がうまい。設定の不思議さはあるが、日々の積み重ねが人生だとすれば、その断片(8カ月)をうまく切り取りアッという間の1時間40分。観応え十分であった。

ネタバレBOX

舞台は勤務先の事務所内。中央に机、上手・下手側に乱雑な書類などが置かれている。殺風景ではなく、逆にその乱れようが心の中を投影しているかのようだ。冒頭の掴みはアッと驚かせるような仕掛けから、物語にグイグイ引き込まれる。その大きな力は、脚本の面白さ、演出の奇抜さ、役者のキャラクターの作り込みとその体現の上手さという総合的な魅力。

物語は、人との関わりを持つのが苦手もしくは嫌いな女性が、夜中に仕事をしている。話し相手はパソコンの画面、バーチャルな世界を自由に浮遊している。話は本人・小野薙(小林夏子サン)とパソコン内の分身・モモ(掘内萌サン)の心身が往還するような展開である。某年4月から12月の8カ月間に亘る妄想・夢想を、ブログで語らせて行く。それゆえ心情はストレートに表現され、展開は時系列で分かり易い。冒頭シーンも含め、観せる手法は巧み。

場所は新宿街、時間は夜中というシチュエーションは、独特ではあるが少なからずリアリティもある。目に見えない心情・仮想の世界と目に見える現実と猥雑な世界の対比のような描き方も面白い。(若い)女性が持っている又は思っている気持の高まりが迸(ほとばし)る。その激した姿が少し痛いが感覚的だが共感を覚えてしまう。

この本人だけが楽しんでいたブログ(非公開)に、ハッカーとして闖入してきたヒロ(金城芙奈サン)との不思議な交流が話を増幅させ物語に多面性を与えている。登場人物のうち、女性は非日常を表現し、男性(昼間働く職場の人)は現実世界そのものを表している。劇中台詞…不安に思う気持の拠り所が、家畜のような仕事に頼る、という自嘲または諦念のような感情に納得してしまいそう。人の生活(暮らし)は波乱万丈だけではない。むしろ変化のない平凡な日々、一葉一葉が舞い、枯れ積み重なるようなものかもしれない。表層はコミカル・コメディという感じであるが、その内容は滋味に満ち溢れたもの。ちなみに、季節は変わるが衣装の変化は…卑小だろう。
素敵なクリスマスプレゼントでした。

次回公演を楽しみにしております。
ROUND8 『十』

ROUND8 『十』

INAGO-DX

JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)

2016/12/17 (土) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/17 (土)

価格2,500円

今回の感じとても好きです。色々と緊張と緩和の良さだったのかな。。
昔ながらの焼肉屋に殺し屋という不似合いな設定が面白かったですし、何とも言えない緊張した時間が流れる焼肉屋で起こる事件や出来事で、ときにドキッとしたり、ちょっとした緩さで和やかになったり、クスッと笑う感じが何とも心地よかったです。
はじめての役者さんもいたのですけど、それぞれの役者さんの良いところ悪いところをデフォルメしたのかなと思ってしまうぐらい当て書きがすごく良いなと感じました。
舞台装置・小道具は、焼き肉じゅうじゅうして食いてえ~ っていうぐらい違和感のない焼き肉屋だったので、その辺りも良かったです。

次は、水島さん、オギエさんがもっと活躍する本公演を観てみたいものです。。

チケット価格は一般前売り価格です。

ネタバレBOX

おやっさんとむすこのラスト云々が?の話も聞くんだけど、まあ自分はそれより、ラスト少し前のみんなの団欒を観ながら、親のお通夜のとき兄や姉と久しぶりにゆっくり色々と話したりしたときの感じを思い出したりして。。。なんとも言えない情景でしたね。。
ベベコレ2016

ベベコレ2016

笑福亭べ瓶独演会事務所

赤坂RED/THEATER(東京都)

2016/12/24 (土) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/25 (日)

クリスマスに落語・・面白かったです!フリートークは可笑し過ぎて、涙が出そうになりました。落語も講釈があり、とても興味深かったです。べべさんの愛すべきキャラクターが、存分に楽しめました!

ヘナレイデーアゲイン

ヘナレイデーアゲイン

AnK

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/12/22 (木) ~ 2016/12/26 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/12/24 (土)

夢物語のような不思議な感じがする舞台でした。昔の人は文字で綴っていた日記を、現代の人はブログで綴るんだなぁ・・と、しみじみ感じました。役者さん達の演技は良かったのですが、ふわっとした演出で理解するのが難しい印象でした。好みが分かれる舞台に感じました。

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2016/12/10 (土) ~ 2016/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/12/24 (土)

ストーリーは事前に知っていたが、それでもエンディングは感動した。
青柳の最後の満足そうな表情が忘れられない。
演出も非常に考えられていて、うまく撮影OKタイムが取り込まれている。

嵐になるまで待って

嵐になるまで待って

演劇集団キャラメルボックス

所沢市民文化センターMUSE マーキーホール(中ホール)(埼玉県)

2016/11/03 (木) ~ 2016/11/03 (木)公演終了

満足度★★★★

昔観た時は女優さんの美しさと手話に見とれていた気がします。ドキドキの展開なのですが、今回もいくつか疑問が。みんなには聞こえない第2の声が聞こえてしまうから、それが聞こえないように嵐になるまで待つのかと思っていたのですが、その目を見なければ大丈夫みたいな話もあり、同じような能力を持っているらしいアニメの声優さんが「台本持って来て」と言っても持って来てもらえなかったり・・・。原作があるみたいなので読んでみようかと思います。個人的には懐かしいホールでの上演で、久しぶりに行けて良かったです。

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