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第23回稚魚の会・歌舞伎会合同公演

第23回稚魚の会・歌舞伎会合同公演

国立劇場

国立劇場 小劇場(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★

夏恒例の催しである。いずれは笑也のように大成するかもしれない若者と、終生歌舞伎の世界で脇役や裏方など何ほどかの仕事をしながら支えるものがまじりあって、一つの舞台を踏む。学校演劇のような青春が商業伝統演劇の中にもあることが楽しいのである。ここでご贔屓になって生涯つきあったりすれば面白い人生の彩になるかもしれない、などと思うのは観客のロマンでもある。
舞台の成果は勉強会なのだから云々するのは野暮でやめるが、演目には疑問がある。一つ目の「番町皿屋敷」はもう大正になってからの新歌舞伎で、こういう作品なら今後いつでも学べるし、新しい工夫を持ち込める。ここでやるのはどうだろうか。歌舞伎でも最近は近代劇的にやるのが多くなっている由(渡辺保さんによる)でそれももっともだが、そうなればここでやる意味はない。今回の公演は、結構古めかしい演出で、見得も台詞も形を作ろうとしていたが、それはどういうことなんだろう。二つめの「紅翫」は字を出すだけでもパソコンで苦労する(翫)ほどだから十分古典であろうが、舞踊の会の最後で見せられる総踊りみたいで、玉石混交の御稽古の成果を拝見した感じ。歌舞伎を志す若者もこの頃はすっかりジャニーズ風になっている。現代的な体型の若者が多く今はそれを隠そうとしない。芝居は今のものだから、それでもいいのだが、いずれ大歌舞伎で畳の上や御殿をやるときの立ち居振る舞い大丈夫だろうか、と気がかりになる。そう言う伝統演劇の基本演技はこういう所で叩き込まないと。板の上に出てからでは遅いのである。
最後は「引窓」。やっと伝統演劇になる。曲輪日記はずいぶん無理な筋立ての芝居と思うが、この親子兄弟の情愛を何とか客に納得させてしまうのが古典の力と言うものだろう。無理な筋立てだから、ハラで押し切らなければ進めないところも多く、こういう会の演目としては荷がおもすぎたかと思わないでもない。ずっと説明的で近代的な皿屋敷の播磨が、菊を成敗しようと気持ちを変えるところもできていない(橋吾は全体としては柄も芝居もいいのだが)のだから「引窓」は親子兄弟ながら戯曲の説明だけでは難しい・今回の芝居二演目ともわかりやすそうだが、そもそもが無理難題なのだから、伝統演劇の形にハマってようやく成立する。そこのところの覚悟があやふやな感じがした。
などと老人の繰り言だが、劇場は大入り、カップルで見に来ている若い観客も多く、時に転寝をしながら楽しい夏の午後を過ごした。

解散

解散

江古田のガールズ

サンモールスタジオ(東京都)

2017/08/12 (土) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★

初、江古田girls イン・サンモール。意外やまともに演劇である、という印象。勝手な予想と違ったというだけの事だが・・。
荒唐無稽さや笑いへの貪欲も、劇団員(今回は二名が中心的役で登場)のエンジン全開で自在な立ち回りが幻灯機の光源のような按配に周囲を照り映して、ある「信じられる」世界が構築され、周囲の俳優も皆、「演技」的に(主に笑いに向けて)全力で表現に勤しんでいた。表現アスリートといったところ。
俳優の技術レベルが予想外であったことと、若さ、輝き(年寄り臭いが・・)を引き出しそれをフル活用した躍動的ステージは成功と言えよう。
このステージが、江古田のガールズのスタンダードであるかどうか、そこは判らないが・・共通していそうなのは、細かな粉末のようにまぶされたチョイ毒ありの<笑>のネタで、またいつか味わってみたいと思わせた。テンション高し!

ナイゲン(2017年版)

ナイゲン(2017年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/08/11 (金) ~ 2017/08/21 (月)公演終了

満足度★★★★

評判を呼んでいるだけの事はあり、再演が重ねられたからこそ観られた「会議もの」劇の感想。
我々が直面しがちな「選択における葛藤」が、ナイゲンという会議で制限時間を使い切る迂回の仕方でフルに展開。高校生の設定ならでは、と言える子供っぽい反応な部分も含めて、「あり得る」展開のその結末は・・。
一言で言えば、結末よりは「ちゃんと会議してる」事に溜飲が下がる。皆がクラスを代表している事情もあって、エゴ、いい加減な論理、無節操、付和雷同なんでもござれだが、それでも「この結末だから」でなく、やはり「結論を出すために頑張っている」プロセスに注目させられ、「一件落着」を望みつつも、私などは会議やってるよ高校生が・・と、会議礼賛派であるこの芝居には手放しに一票である。

ネタバレBOX

「会議」が必要である事情はこうだ。
毎年生徒の自主運営にゆだねている文化祭を話し合う会議(内部限定会議略してナイゲン=このネーミングは実体験を想像させる・・作者のオリジナルだとすればセンスだ)に持ち上がったのは、学校が教育委員会の要求を入れてしまった「マスコットキャラクター付の節電キャンペーン」を、やらなければ「公開」を認めない(外部の人間を招べない)という条件で強要してきた案件である。
前段、学校側の主張がおかしいと正論を力強く発言する三年のクラス代表がいる。ちなみにクラス数は全学年とも3クラス、従ってクラス代表は9名、加えて議長席の並びには監査(規約に則っているかチェックする)、文化副(文化祭を進める立場として文化委員会?から参加)、文化書記(同じくその補佐で書記)が一列に座る。計13名の内、学校側の姿勢を糾す意見を吐くのは、その3年男子と、問題の所在は理解するが「それを主張する事の無意味さ」をこぼす3年男子。しかし「現実を見よ」という論調が、浜辺の砂を洗う波みたく「原則論」を洗い流そうとし、それに抗して声を荒げるという場面が序盤にある。
やがて、「まあ冷静に」「一人ずつ意見を確認していこう」と一旦落ち着くが、その局面で「世論」を巧みに誘導して行く「うまく立ち回る」人間が登場し、論点が完全に「どのクラスが担当するのが相応しいか」に移行してしまう。
この論点追求に端を発し、エゴの、エゴによる、エゴのための議論と主張、無節操な投票行動を見せていく。
進行としては、最初に槍玉に挙げられた「残す価値の低い」と思われる企画が、その場での投票という難を逃れ、すべての企画を一つずつ検証して行くべきだという事になり、検証の的が移り変わるたびに予期せぬ問題が持ち上がり(極めつきは同席していた2年男子がその彼女=文化書記に黙って文化副と浮気をした、しないのくだり)、一通り企画の中身を飽きさせることなく俎上にあげるという点がうまい。
そしてこの伏線が結末への追い込みの展開に効いてくる。

正反合(アウフヘーベン)ではないが、理想・理念(それを追求して学校側の要求をハネれば友達や家族を呼べる文化祭はできなくなる)と、受け入れるしかないと見えた現実(ダサいキャンペーンを誰かがやる)との二者択一が、最後に至って、理念に反さずに現実を受け入れる知恵を出し合う展開となる。
私はこれをポジティブ志向と括り、「もし、そんな工夫が浮かばなかったり、工夫の余地のない現実だった場合、どうするの?」と、冷めた頭を保とうとする。さてこのあたりから少し難癖が出始める。

問題の所在は、「学校側が、自主性を重んじていた文化祭に首を突っ込んできた」事にある。自主性=尊い、という価値観が共有されていない場合、ここでの理想は弱いものになる。だが、自主性はすばらしいという一つの(恐らくは経験的につかまえ得た)価値観を基準にするなら、学校側の態度は「暴挙」に等しい。それに抗しようともせず、最初から「あきらめて」いる者たちが9割である高校生ってのも、それが現実でもあろうが、この「たかだか3年の学校生活で本気とかマジうぜえ」といった倦怠をこの芝居の基調にしているとは思えない(単純に面白い議論劇が書かれたのだ)。そして「自主性」を疎んじる感性は「自己責任」を無限大に課せられる社会にフィットしない気がする。高校生事情を私はよく知らないが。(ある私学の事情を聞けば、逆に自主性尊重の方へ舵が切られ過ぎ、放任主義の弊害が出ているとか。。)
・・そんなあれこれを思いながら、最後に残った男子が交わす会話の中に、真摯に「原則」を大事にしようとする心が観え、そのことには溜飲を下げた。結局のところ、彼らは学校に「負けた」。やりたくもないものを「やりたいこと」にできる「可能性」を追及したに過ぎないという自嘲が台詞にも出ていたが、改めてこう思い直すのが正しい。
この芝居は「学校と闘わずして負けた不戦敗を、主観的には負けてないつもりになれる道を探り当てた(当てようとした)物語」である。
恒例として演劇をやる3年の、そのクラスが上演許可申請の不備のため、最終的に担当に決まったが、キャンペーン行動を挿入した面白い劇に作り変える動機は、当人にあるのかどうか、「微妙」な終わりにもしてある。
きちんと自己批評を織り込んだ脚本ではあるが、最初に抗議する3年と、それに反対する3年の後者が言うありがちな台詞が、私にとっては最初のボタンの掛け違いだ。
「だってあの時も、みんなついて来なかったじゃないか(だからそんな正論を主張しても仕方ない)」・・これは、正当に主張すべきことを主張しても誰もついて来なかった過去のナイゲンを思い出し、その敗北=周囲の無理解を今回の案件にも当てはめようとする言動だ。しかも皆の意見が出揃わない前に、このことを抗議する本人に言うのだ。この言動は、「本当はいやだ」と思っている人間のものではない。最初から消極的な人間。ドラマの展開にはよくこういう「神経過敏なの、許して」的存在が、ドラマを「正当な方向」に進ませず、イライラさせる。だが事の本質はそういうことで、相手のこの態度は、爽快なラストではすでに無かったようになっていたが、「主張した」3年男子は、その事を一言、相手に言いたかったはずだ。
今回の脚本の設定では、やりたくない事を、たとえ1クラスの犠牲とは言ってもやらせようと言うのだから、普通は頭にくるし、通らない。ならば思いは共通していることがすぐに知れ、団結できたはずだが、「神経過敏」ちゃんの企んだかのような巧まざる誘導で霧散した、とまあ見ることができる。
そもそも「要求をのまなければ「公開」は許可しない」という脅しは正当性が薄く、できる高校生なら逆に教師を言葉で吊るし上げに出来る論理の弱さがある。
「自主」という理念が形骸化している事の倦みを高校生らが体現しているのだと解釈しても、文化祭はやりたい訳である。純粋にやりたいことをやる、という事がやれる風土というのは、管理されることに慣れたような校内環境では作れないものだ。
「やりたいことをやれる」喜びを知っているなら、その事を制限されることに本気で怒ることができるはず・・・という、最初のハードルさえ越えれば、大変面白い出し物ではある。役者の技量と「ハマリ度」の総和のクオリティは高いと思う。本人たちの自覚は、あまりなさそうではあったが。。
PTA

PTA

ホチキス

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/21 (月)公演終了

満足度★★★★

杮落とし観劇っす で 内容は説明通りでした~♪

でも何か喰い足りない感があったような・・・
そんでイメージはナイゲンだったかなぁと

冒頭からの情報開示がいまいちに思えたのが理由かなっと判断
でも最終的には綺麗にまとまって楽しめたです(^-^)

約2時間の作品

ネタバレBOX

舞台セットはユニークな作りで
後方に黒板として使える壁と勾配を作って
右手=上手側に壇上を作っていまして
小型の机は様々な形に並べられるようにしていました
虎縞カラーの自転車とか小道具もユニークでありました(^-^)
(自転車の強力ライトの電源は・・笑えた)

亡くなった教諭の兄=等々力健一役の稲垣さん・・長身でイケメンさん~♪
その妹さんも じ・つ・わ~場内アナウンスで出演(?)されてたりと・・芸が細かいデス=作中は写真のみで その写真もユニ~クな使われ方するんですけど~(笑)

交通事故死の原因探しのシーンは
なんとも「12人の怒れる男」みたいな法廷話風で のめり込めます(^-^)

ナンバー入力の鍵ロックは
音声での解答が何ともホチキスカラーでてたなぁと感心

全国テストのワースト1=48点平均の結果に至る理由も出たりと
やや詰め込みすぎなキライはあるも
きれいにまとめてあって納得のできでした

小玉さんが出てないなぁ・・と思っていたら
別の作品出るためかな(^ー^)?
雨季

雨季

演劇ユニットG.com

インディペンデントシアターOji(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

連日の鬱陶しい天候と地続きな世界観は、ある意味グッドタイミングといえますが、ジメ~ッと辛気臭い雰囲気というより、停滞感漂う中にも大人の秘め事が香り立つ甘美な印象が残ります。
全ての役者さんに安定感があり、何より主人公の人間味ある大人なキャラクターがユーモア風味を添えてラストまでいざなってくれました。

SF作品ではありますが、とんとん拍子な展開ではなく、ジワジワと奇怪な異常事態が迫りくる薄気味悪さ。
論調から読み取れる原作の「みにくい白鳥」は、おそらく私には肌が合わず読破できない著書ではないかと思えました。が・・・生舞台マジック。
現実界から少しズレた不思議な空間に身を置く事で、初めてこの作品の世界観を享受できたのではないかと思えてなりません。

計算尽くの照明がSF感をグッと底上げし、天から降ってくる様な迫力の音響には心地良さを感じます。
作品を反映するがごとく観客も大人な感じ(高齢という意味ではなく)で、こういうしっかり落ち着いた観劇環境は、とても貴重だと思えました。

バルバトス

バルバトス

TABACCHI

小劇場B1(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

重い話ではあったけど・・・開演前の前説お兄さんが
正反対に明るくてギャップが楽しめた(^-^)
(=開場すぐの入場薦めます~♪)

話は2時間超えながらも
集中力途切れず見切りましたわ

ネタバレBOX

セイレムの魔女裁判の話(アメリカ合衆国マサチューセッツ州セイラム村(現在のダンバース)で1692年3月1日にはじまる一連の裁判。200名近い村人が魔女として告発され、19名が処刑され、1名が拷問中に圧死、5名が獄死した。無実とされる人々が次々と告発され、裁判にかけられた)っす <『るつぼ』(原題:The Crucible)アーサー・ミラーによる戯曲>

しかし”ジェヴォーダンの獣”といい
中世は人と人との争いが怖いっす(・・今でもだけど・・ねぇ)

タイトルのバルバトス (Barbatos) は、悪魔の1人であり。カリブ海の島国である「バルバドス」の事ではない。グリモワール(仏: grimoire、仏語発音: [ɡrimwar])魔術の書物、特にヨーロッパで流布した魔術書。奥義書、魔導書(魔道書)、魔法書ともいわれる=『ゴエティア』によれば、30の軍団を率いる悪魔序列8番の公爵。またグリモワール『ミュンヘン降霊術手引書』や『悪魔の偽王国』においては、バルバルス (Barbarus) という名前で紹介されており、36の軍団を率いる伯爵にして公爵であるという。もとは力天使または主天使が堕天したものらしい。魔術師の財宝の隠し場所を知っていたり、動物の言葉を理解できるなどの能力を有する。また、過去と未来をよく知り、友情を回復する力を持つという悪魔=が少女たちを唆したという事です。(よね・・・)

小道具や衣装も凝っていて
飲食などもリアルにされていました

判事さんが少々カミカミだったのが残念~

”あらすじ”については
るつぼ (戯曲)とか『クルーシブル』(The Crucible)1996年制作のアメリカ映画を
ネット検索しればOK
今作は ほぼそのとおりに作られていたです

衣装や小道具~飲食もリアルにしていた分
舞台セットは無くて素舞台でありました

開演時間守って2時間15分でしたね=ゲネプロとかでも
きちんと計測していたんでしょうが
しっかりしてるなぁと~感想
closet

closet

643ノゲッツー

エリア543(東京都)

2017/06/21 (水) ~ 2017/06/25 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/06/21 (水) 19:30

価格2,300円

誤解が誤解を呼び混乱を招く海外コメディ的な味わい。ツッ込みどころは多々あれどそれをイキオイで突っ走る確信犯(笑)。
しかし途中で何度「キミら、ちょっと落ち着け!」と思ったことか!

解散

解散

江古田のガールズ

サンモールスタジオ(東京都)

2017/08/12 (土) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かった。若さで元気をもらいました。

ネタバレBOX

雑然としているが、それが芝居なのかリアルなのかが判別できないような設定に感心しってしまった。終わってみれば元気をもらう芝居だった。役者さんが楽しそうで楽しかった。でも途中ではジーンときてしまうような温かい芝居だった。最後に「夢か!」と自分の生き様を振り返ってしまうような素敵な芝居であった。
バルバトス

バルバトス

TABACCHI

小劇場B1(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

初めて観るTABACCHI さんの舞台。
『バルバトス ~嘘、 連鎖、叫び〜』
正直自分が
1番観ないタイプの舞台でした。
虚言から始まり
終始暗く重い雰囲気でしたが
それでも人には
譲れないモノが確かにあると
再確認出来るお話でした。
個人的にはかなり
ズシっとくるお話でした。
ただ初めて舞台観劇される方には
ちょっと重過ぎるかも。

しょうちゃんの一日

しょうちゃんの一日

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

昭和38年の狭山事件をモチーフにしているが、事件の概要を示すような、例えば裁判記録を辿るような展開はしない。見方を変えれば、事件を媒介にして家族のあり様を描いた公演と言える。当時の時代背景の特徴を見せつつ、家族という視点で事件を捉えている。その家族のあり様に、戦後の混乱期から成長期を迎える時代背景が見えてくる。
それを舞台美術で上手く表現する。その巧みなところ、場景・状況はある程度具現的に現し、逆に情景・心情は観客のイメージを刺激、解放するような表し方である。事件の解明過程を、刑事の家庭と被害者家族という二つの視点から描く力作。この家族を交差させるのが”しょうちゃん”である。
当日パンフには、登場人物の相関図や狭山事件関連年表が書かれており、公演を分かり易くしているのが好い。
(上演時間2時間20分 途中休憩なし) 2017.8.20追記

ネタバレBOX

セットは、上手側に座卓・座布団、更に客席寄りには座机。下手側にはダイニングテーブル・椅子・食器棚が置かれている。その間に幾つかの柱のようなものが立っている。また床には白線(テープ)があり、3つの別空間を出現させている。舞台奥(戸外イメージ)に当時を感じさせる黒合板が張られているのが見える。この和・洋の屋内は、家族の生活様式を具体的に見せ、間にある柱などの空間は、観客が情景や心情を自由に感じ取ることが出来る、一種の心象形成を成すようだ。

冒頭、しょうちゃんが拉致されるようなシーン。2つの家族が客席を凝視しているかのような光景は、事件のTVニュースを見ているということか。引き幕に公演関係のクレジットが映し出され物語が始まる。事件の真相を探る刑事は、その職業とともに家庭人(父親)という顔も描く。通勤ラッシュ、集合住宅の購入という刑事をサラリーマン風に描くことで、新しい家庭(族)観が透けて観えてくる。約半世紀前の事件を通じて、「仕事」と「家庭」という現代にも通じる”人間”の話に繋がってくる。事件を決して暗くも重くも描かない、その坦々とした雰囲気とテンポが好かった。

上手側・和室が被害者宅、旧家で屋敷も広い。一方、下手側・ダイニングは刑事宅で集合住宅。この和・洋の住宅に家族構成(核家族)を重ねいろいろな対比を観せる。事件の被疑者は、本人のみが取調べを受けるという形で登場する。その家族は登場せず、住んでいる地区(地域)は、特別または差別されている場所のようだが、その説明は台詞のみ。事件の背景の複雑さ難しさが端的に解る。事件の真相は明らかにされないが、犯行の概要をおぼろげに示唆する。観客(自分)が消化不良にならない程度に見せているところが心憎い。

公演では、2つの家族の視点から観た事件、その交差する役割を刑事の二女”しょうこちゃん(被害者も同じ呼び名)”(吉水雪乃サン)が担う。毎晩うなされる夢、それが事件に関係しているような、そして刑事の父を思う気持が相まって被害者宅へ…。先に記した狭山事件の取り扱いの難しさを、家族という視点で概観を描く巧みさ。観応え十分であった。

次回公演を楽しみにしております。
アラタ~ALATA~

アラタ~ALATA~

スタジオアルタ

オルタナティブシアター(東京都)

2017/07/07 (金) ~ 2017/12/23 (土)公演終了

満足度★★

70分という短い時間の中に マッピング・ダンス・殺陣・マジックとおもちゃ箱のように一杯詰め込まれてました。時空を超えたSAMURAIの想定はいいのだけど 何だかいまひとつ。特に後半のトランプマン?達が出てきたところが興ざめ・・・
エントランスでの催しはちょっと楽しいかも。

秋心SUMMER

秋心SUMMER

宰団紡人企画

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

初観劇でしたが、なかなかコメディ要素いっぱいで面白いお芝居でした。テーマが暗いのかなー?とも思っていたのですが、演出もキャラクターも明るいお芝居で助かりました。欲を言えばラストはもっとハッピーエンドにしてほしかったなー!同じ年齢の息子を持つ父親としては心からそう思いました。次回作は全く違うテーマのハートフルコメディ作品を期待していますね!

bpm EXTRA STAGE 『TRINITY』

bpm EXTRA STAGE 『TRINITY』

bpm

赤坂RED/THEATER(東京都)

2017/08/15 (火) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★

「FEERING」を見てきました。もう台詞なのかアドリブなのかわからないくらいの面白さで大笑いしました。
でも70分だなんて短い!! もっと楽しませてよ~

サマデーナイトフィーバー

サマデーナイトフィーバー

20歳の国

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2017/08/07 (月) ~ 2017/08/13 (日)公演終了

満足度★★★★

劇団の色ともいうべき、青春をキーワードにした、恋愛、夢、等を散りばめた、祭の前や台風が接近する時のなんとも言えないザワザワ感を思わせる中でのストーリー、懐かしさとともに楽しかったです。ただ、怪我をしないかが気になりました。

ネタバレBOX

昔の映画の「台風クラブ」を思い出されました!
秋心SUMMER

秋心SUMMER

宰団紡人企画

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/08/17 (木) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/08/17 (木) 15:00

なるほど、そう言う事だったのか‼︎
えっ、違うでしょ?と思いつつ、最後まで通されてしまった…。
想像もしなかった展開に、戸惑いつつ、あるセリフで納得されられてしまった。
タイトルはそう言う意味だったのかい⁉︎
見事に嵌められた!あんたの勝ち!(笑)

ワンダフルワールド

ワンダフルワールド

甲斐ファクトリー

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2017/08/09 (水) ~ 2017/08/13 (日)公演終了

満足度★★

ストーリー・演出・演技、どれもチープな感じがした。あまりにも芝居が幼い出演者が多すぎる。メイン二人も男性の方はなかなかいい演技をしていたが、相手役が幼過ぎて“ガップルとして成立しない”一番大事な部分が出来上がってなくては、脇がどう頑張っても絵にはならない。

超進化ステージ「デジモンアドベンチャー tri. ~ 8月1日の冒険 ~」

超進化ステージ「デジモンアドベンチャー tri. ~ 8月1日の冒険 ~」

舞台「デジモンアドベンチャー tri.」製作委員会

Zeppブルーシアター六本木(東京都)

2017/08/05 (土) ~ 2017/08/13 (日)公演終了

満足度★★

アニメ、息子の付き合いで観てました。映画も観ました。子供向けであっても感動して涙ウルっとしました。しかし、舞台は・・・誰に観せたいのかな?なぜそうなったかの理由も甘いし、ご都合も多すぎる。出演者もまだ芝居が幼い方多い。懐かしい和田光司さんの歌だけで終わった感じでした。

イリクラ ~Iridescent Clouds~

イリクラ ~Iridescent Clouds~

イリクラ製作委員会

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2017/08/09 (水) ~ 2017/08/13 (日)公演終了

満足度★★★

戦隊もの、ヒーローショー、大好きです!それだけにそれらとして考えた時には面白みがない。確かに楽しいのは楽しいかもしれないが、無駄も多いし、殺陣も殺陣好きにはトキメクものが無し。ミュージカル必要なかったですね。

罠

サンライズプロモーション東京

サンシャイン劇場(東京都)

2017/08/08 (火) ~ 2017/08/15 (火)公演終了

満足度★★

話の筋を動かす大事な役柄に、その時々の変化がない。一本調子の演技が続き、他の出演者の熱演が空回りしているように感じた。また、実力ある出演者の出番があまりにも少ないのが寂しすぎる。演出も数年前に拝見した際とあまり進歩がなく“再演だからこそ”という面白みを感じることが出来なかった。

しょうちゃんの一日

しょうちゃんの一日

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

 今作は狭山事件を扱っている。この事件の扱いは、極めてデリケートな問題を含み、それは当に現在の我々の生そのものに深く関与している。だから、どう表現するのかが極めて重要になってくる。社会学的な観点からすれば、この点にこそ、今作を問う意味があるといっても過言ではないほど重く深い問題なのである。この難題を漢字表記は異なるものの、“しょうちゃん”と呼ばれる二人の16歳を迎える思春期の少女の、実に微妙な心理状況を梃に交感という超常感覚を用いて繋ぎ、考え得る様々な矛盾や、対立する証言の多様な解釈を尖鋭化し過ぎることなく纏めてみせている。この点が実に上手い。(追記2017.8.22)

ネタバレBOX


 一方、無論、部落差別のみならず更に般化した差別の在り様を役者達の仕草を通して、さらりと演じ分け、分かる者には着実に伝わるように仕組むと同時に、敗戦を経験し満州から沖縄へ移された兵士や、引揚者達の、奇跡的とも言える生存後に紡がれた人生とその家族関係を、これまた社会の因習や、弱者へのしわ寄せによって、己と親族だけは殺人事件という重大犯罪に関わりを持たぬ風を装い、剰え真の実行犯を隠し、冤罪を生む責任転嫁を行わせた社会的「実力者」の因循姑息な狡猾も描いて見せる。極めてバランスの良い作品だ。
 大道具の配置、即ち空間処理が見事で、様々なシチュエイションを演じる役者達の動きに自然な様子が見られることも特筆に値しよう。しょうちゃんを演じる女優のセーラー服姿も良く似合っている。登場する家族は全部で3家族であるが、主たるそれは2家族。そのそれぞれが、内部にちょっと事情を抱えており、殺害されたしょうちゃんの家族である日下部家の秘密こそが、この難事件の真犯人を隠すことになったのではないか? との解釈は自然な説得力を持つ。そして、捜査する側の家族・立花家の苦労をしてきた親同士の再婚の過程をさらりと描いて見せ、引揚者の特に幼い子供たちの必死な有様も簡潔に而も極めて適確に描いている点も見事である。
 無論、物語はこの二項対立のみでは終わらない。第三の家族の家長こそ、この事件の実際の黒幕ではないか? との示唆が為されているからである。己の社会的地位・権威を利用し、口先三寸で、容疑者として逮捕された者に自供させるよう、捜査担当に抜擢された元交通課巡査部長を籠絡して、冤罪を決定的にしたのみならず、日下部家の秘密にも或いは重大な関与をしていると深読みできそうでさえあるのだ。果たして真の悪人・罪人とは誰だったのだろうか? 
 バイアスを排し、得点稼ぎを焦って立件を目指すのでなく、あくまで事実に拠る実証的な積み重ねによって犯人を挙げようとした立花家家長である警部の目論見を潰したのも、この「実力者」であった。これが、この日本という社会の持つ病弊ではなかったか? そんな問題を突き付けてもくる作品である。精度の高いシナリオ、実力のある役者陣と演出・効果のタッグ。考えさせる作品に仕上がっている。

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