
オレステイア
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2019/06/06 (木) ~ 2019/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
オレスティス三部作と言われている王家一族の家庭内殺人を描いたギリシャ悲劇を、裁判劇の枠組みで再構成した親子三代の愛憎劇。そこにどのような罪があるのか?
生田斗真ファンの若い女性群、音月桂ファンの中年女性で、広い新国の中劇場は満席の盛況だ。三部作を一つに押し込めたのだから、とにかく長い。最近には珍しく4時間20分。
こういうスター芝居ではお決まりの最後のスタンディングオベーションをやっている時間もない。終電はともかく、終バスがなくなってしまう。
幕間が二回。各20分。幕間のロビーではお仲間でやってきた観客が、あそこはどういう意味なのか、あの人物は死んでいるはずなのに誰なのだ、と山積の?????解決のためにしきりに情報交換をしている。
この新構成の芝居は、枠組みとして、オレステイスを裁く裁判劇をはめているので、親子三代の家庭内殺人の因果応報が交錯する。そのわかりにくさは、人気者をとにかく舞台でご見物衆に見せなければというこの興業の配慮からきているところもある。幕開き、客席からオレステイスが登場し出ずっぱりだが、第一幕はほとんど芝居に絡むところがない。人気者だから出ているだけで気になる。
だが、そこを除けば、この長大な舞台のドラマは緩むところはない。それほどわかりにくくもない。見ている間は、家庭内葛藤は昔も今も変わらないなと、最近しきりに報道される現代の家庭内殺人も連想させて引き込まれる。脚本・演出がうまいのである。
この劇場はいかにも使いにくそうな小屋で、舞台が拡散してしまう感じだったが、今回はオープンステージでさして道具もいれていないのに締まりのいい舞台になった。美術は二村周作。映像を出す演出は流行りだが、今回の「上演のタイムラップ」を出す、というのは新手で、生の演劇であることを強調して効果があった。演出の俳優へのミザンシーンも的確で、終始緊張感がある。俳優は皆健闘だが、特に、音月桂。こういう押しも引きもできるタカラジェンヌとは知らなかった。横田栄司。吉田剛太郎の陰に隠れがちだったが、今回は地力を発揮している。
この内容で寝ている客がほとんどいなかったのは大成功である。座組みは、シスカンやホリプロならやりそうなことではあるが、近ごろ、何への配慮か嫌われる長い芝居(多分、劇場労働者の労働時間だろう。いやな世の中だ。この劇場でも入口のショップは締めていた。開演しているのに閉めるのでは訳が分からない。労働時間が折り合わなかったのかと勘繰る))がたっぷり見られたのは、蜷川のコクーンでのグリークス以来の愉しみだった。

機械と音楽
serial number(風琴工房改め)
吉祥寺シアター(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/18 (火)公演終了
満足度★★★★
機械と音楽。前世紀それもロシア革命を背景とした前衛的な建築デザイナーのお話。 現代の普通の日本人にとってはなんとも「遠い」お話である。 それも大作、長編である。 正直ろばさん作品でなかったら「スルー」していたかも知れない。 しかし、行って観て良かった。 オープニングからぐっと持っていかれたし、僕にとってかなり曖昧な革命時代の背景もキャプションを交えながら説明してくれるしで筋で迷うことはなかった。 圧倒的な台詞の量はろばさん作品では毎度のことなので今更驚かないが、この時代に生きた天才デザイナーとその仲間たちの情熱、不条理、葛藤が見事でした。 緊迫し、気を抜けないシーンが多い中で唯一「ほっと」させてくれるのはニコライ君こと田中穂先さんの演技。 何処かでお見受けしたなあと思ったら数ヶ月前に「単純明快なラブストーリー(山口ちはるプロデュース)」で売れないバンドマンを演じておられていた方でした。 現代東京のミュージシャンから、前世紀モスクワの建築デザイナーへの転身、見事でした。 お疲れ様です(笑)。

幸せのかたち
+ new Company
調布市せんがわ劇場(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「待つこと」「思いを伝えること」、何となく矛盾したような行動にある共通点...それはどちらも自分の意思表示であり愛を示す行為である。
登場人物全員が善人で、この店に集うことによって癒され優しくなれる、そんな喫茶店フュージョンでの心温まる物語。
(上演時間1時間40分) 【FLOWERチーム】

夜のジオラマ
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
物語としては面白いが、時間軸を想像し整理しながら観るのは少し煩わしいような気もするが…。逆に言えば、脚本が示した時間軸が自分なりに結合し、演出もそのように観せていると納得できれば面白さが倍加するだろう。
描かれた世界観は、家族の視点、社会の視点という、虫が地を這うような観察眼と鳥が大空から見る俯瞰眼を併せ持つような重層的な公演。
(上演時間2時間)

夜のジオラマ
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
母と娘と息子の同じ場所なのに違う時間軸の話で初めは今は何?と考え考え見てたのですが、中盤に差し掛かるころに
だんだんと自分なりに分かり始めるのが面白かったです。セットが小劇場なのに大掛かりで素敵でした。
こちらの劇団は演者さん、スタッフさんが丁寧な対応をしてくれるのがとてもいいしぜひ他の劇団さんは参考にしてほしいですね。

こっちみてるの、しょうこ
やみ・あがりシアター
小劇場 楽園(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了

時代絵巻AsH 其ノ拾四『紺情〜こんじょう〜』
時代絵巻 AsH
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
いつもながら灰衣堂愛彩さんの世界観に溢れる好作品。生き様が美しいです。役者さんの一つ一つの所作,立ち振る舞いも綺麗ですね。そして,芝居だけでなく,開場時から最後まで気配りが行き届いていて,とても心地よい観劇時間を感じることが出来ました。

高度ブルー
カラスカ
ウッディシアター中目黒(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
カラスカ公演「高度ブルー」を観てきました。
タイトルが某有名番組に似ていて(笑)私自身もテレビや映画を観ていたので、どんな舞台なんだろうと最初からハードルの高い公演となりました。
しかし結論から言えば素晴らしいテンポでストーリーが進行し、場面の切り替えもバタバタ感が一切なくスムーズで、コメディ場面でも演者がついニヤリとしがちなのですが本公演ではまじめな表情でコメディを演じていたので面白さが倍増しました。
約2時間を集中して楽しめました。ありがとうございました。

こっちみてるの、しょうこ
やみ・あがりシアター
小劇場 楽園(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/06/14 (金) 19:30
価格3,000円
わらくし『スズメの涙団』から、ずっと、観てますが、今回ツボでした。後半、二人の男女が、まるでマグリットの画のやうな、瞬間、素晴らしかったにゃ。この作家さん、好きでつ。『ひとり』感・・・すげえっ。ぷるぷるっ。たじろぎっきょんすいっちょんっ。

夜のジオラマ
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
再演作だということも知らず、ほぼ前情報なしだったので、序盤は舞台を観つつ展開を頭の中で高速整理する作業で大変だったが、こういう苦労はなかなか楽しい。SFよりもミステリー臭を感じたかな。畑崎円という女優さんは多分今回初めて観たと思うが、目が離せなかった。美術も素晴らしい。

2.8次元
ラッパ屋
紀伊國屋ホール(東京都)
2019/06/09 (日) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/06/13 (木) 19:00
座席S列11番
以前と較べて集客に苦労している老舗劇団・雑草座に2.5次元ミュージカルの話が舞い込み……な「創り上げ系」バックステージコメディ。世代ギャップネタや小劇場ネタで笑わせながら鈴木主宰/ラッパ屋の演技論・演劇論が見え隠れするなど35周年の団体の実力がおのずと顕れたといったところ。

五右衛門
弌陣の風
テアトルBONBON(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了

夕夕方暮れる
立ツ鳥会議
萬劇場(東京都)
2019/05/31 (金) ~ 2019/06/02 (日)公演終了
満足度★★★
優しい話。いろんな俳優さんがいて、いくらかに共感しました。個性がそれぞれ違うのでもう少し演技の質がかみ合っても良い気もするけれど、そのちょっとずつみんながおかしい感じも、良い。せっかく誰かに寄り添う話なので、台詞で語りすぎずに演技や行間で観ることができたら、演劇としてもっと面白かった気がします。
夕方、時間、公園。限られた場所のいくつかの時間というコンセプトはとても良かった。誰にでもきっとこんな場所はあるのだろうな。場所って、いつかなくなるかもしれないけど、その時には目に見えない場所ができていたらいいな。なんて思った。

劇団スーパーアレルゲンの死と再生
かのうとおっさん
HEP HALL(大阪府)
2019/06/14 (金) ~ 2019/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
いゃー実に良かった。最高に良かったです。疲れが一気に吹き飛びました。次回も楽しみです。二十周年おめでとうございます‼️

「芸術家入門の件」
ブルドッキングヘッドロック
吉祥寺シアター(東京都)
2019/05/18 (土) ~ 2019/05/26 (日)公演終了
満足度★★★
この題材に真剣に挑んだ誠実さにとても好感を持てました。ビジュアルも見応えがあり、俳優さんたちも魅力的。最後の結論はフィクションのようでも夢のようでもあったので、かなり好みがわかれそうです。
とにかく長いので、観ている方もかなり体力が必要なのが、良いのか辛いのか……。個人的には短い方が観やすいし、もっとよく観られたので、もう少し長いことの意味と体感が作品とリンクすると嬉しかったです。しかしこの上演時間+アフタートークを実現させたみなさんと劇場には頭が下がります。誠実な舞台でした。

お気に召すまま
ヌトミック
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/05/12 (日) ~ 2019/05/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「お気に召すまま」だと思って観ると(頭ではなく)気持ちがついていけないので、途中からそれは考えるのをやめました。いい意味で俳優さんの力技な部分はおもしろく、同時に、ダンサーではない俳優さんが動くことの意味を考えさせられました。見せるもの、ではなく、解釈的な要素が強くなりがちだったかも。それを上回る「人間がそこにいること」がもう少し強くあれば、演劇である意味がもう少しあるのでは。
試みはとても面白いので、意図とは違うかもしれない(し制作面的なことにはなる)ですが、この際思いきりタイトルを変えたり副題を考えた方が、お客さんと良い関係を築けるかもしれないかなと思いました。

ハイライト
うさぎストライプ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/04/03 (水) ~ 2019/04/08 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
とても楽しかったです。俳優さんたちに力があって、どんどん変わる展開も成り立たせていました。怖さや嫌らしさや不気味さもあるのが面白い。「東京」というものにはいろんな人がいろんな思いを抱えているだろうから、もしかしたら東京出身者と地方出身者では印象が違うのかも。上京したいつかの日のことを思い出しながら観ました。

流れる
劇団あはひ
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2019/03/28 (木) ~ 2019/04/01 (月)公演終了
満足度★★★★
「隅田川」は好きな作品だけど古典にはそこまで詳しくない……そんな私には心地よい脚色でした(古典好きな方などはまた感想が違うのでしょう)。
俳優さんが良くて、長さもちょうど良くて、この作風と演じ方でもうちょっと長かったらとたんに苦痛になっていただろうから、「ちょうど」のところにおさめるセンスもいいなと思いました。個人的にはもっとカタルシスがあってもいいけれど、チケット代金を考えると十分。

チューボー ~SECOND HOUSE Ver~
SECOND HOUSE
シアターシャイン(東京都)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/16 (日)公演終了

男亡者の泣きぬるところ/女亡者の泣きぬるところ
ニットキャップシアター
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/03/27 (水) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★
会話劇で、テンポを大事にしているので、かなり俳優さんによる完成度になりそう。どちらも、大変そうだけど楽しそうにもやっているところにまず好感を持てました。とくに女性同士の方は、2人の表情の変化が面白くて、小道具も丁寧で、友達の家に遊びに行ったような気分に。相当練習もしたのかなあと思います。気持ちよく思いきり演じてくださって良かったです。