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月虹の宿 (げっこうのやど)2022 東京公演

月虹の宿 (げっこうのやど)2022 東京公演

日穏-bion-

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白い、お薦め。〈2022 東京公演〉
脚本・演出・舞台美術、勿論 演技も素晴らしい!
命とどう向き合うかといった重いテーマ、その捉え方、考え方の選択と決断を描いた重厚な物語。多様な観せ方は、地域活性化や性癖といった別の観点からも描き、裾野の広さとテーマの深さ といった両面を見事に成立させた秀作。しかし劇風は重苦しいだけではなく、笑いの場面も挿入し、それが人の優しさ温かさを感じさせるといった上手さ。

物語は、前半の 寂れた温泉街に立つ老舗旅館「月の荘」に関わる人々の話、後半は 次女の真希が海外から帰国した理由と家族(姉 妹 弟)の話、といった二幕で展開していく。自然な流れ、細やかな変化や季節の移ろいを丁寧に演出する。ゆったりとした日常の光景、柔らかい雰囲気の中で緊張と味わい深い会話が繰り広げられる。余韻と印象付けが実に見事だ。笑って泣けて心が温かくなる日穏-bion-の世界…病み付きになる(コロナではない)。

2021年にコロナで中止になったリベンジ公演。当日パンフに主宰・脚本の岩瀬顕子さんが「日々流れるコロナ関連のニュースに正直心が折れそうですが・・・」と記しており、うかがい知れないほどの辛苦があったと思う。それでも一年間大切に温めてきた作品、上演してくれたことを嬉しく思う。
(上演時間1時間55分 途中休憩なし)22.8.13追記

ネタバレBOX

場内に入ると舞台美術の見事さに圧倒される。老舗旅館「月の荘」のホールといった場所で、中央に玄関や客室に通じる出入口、上手に段差ある畳所、ラジオ・小机等があり、横に極楽ノ湯へ通じる出入口、下手に暖簾が掛けられた月の湯。暖簾は色違いで殿方、御婦人と染め抜かれた文字が見え、暗転時に掛け替え時間の流れを表す。板床には囲炉裏、籐椅子や茣蓙布団が置かれ、天井部には桁(けた)のような木材、その奥に竹林が見える。電波の入りが悪い山奥、自然豊かな雰囲気が漂う木造家屋内を出現させる。

物語は、ここで働く人や出入りする人、その個性豊かな人々の性格や暮らしぶりを生き生きと描く。「月の荘」の主人・天野亮太(内浦純一サン)は東京で働いていたが、故郷に戻り旅館主を継いだ。長女・加代子(柴田理恵サン)も都会で助産師として働いていたが、今では地元で助産師をしている。板前の笹川徹夫(剣持直明サン)は妻を亡くし、息子は仕事が忙しいのか会えていない。従業員の鳥居ひな子(中島愛子サン)の客案内はガイド調で笑わせる。真希の友人で山根奈津江(清水ひとみサン)は認知症の父親の介護とクリーニング店の仕事で忙しい。芸達者な役者陣の面白可笑しい仕種や会話は、長閑な光景を観せる。この地には、玉金(たまがね)温泉郷が近くにあり、イベントで町興しに役立てようと企画。二週間前に赴任してきた地域おこし協力隊・下駄屋勤務の米田正彦(小林大輔サン)が色々なアイデアを出す。そして客層を考え「終活ツアー」はどうかと…。前半で色々な伏線をはり、後半へ繋ぐ。

アメリカでデザイナーとして活躍している二女・真希(岩瀬顕子サン)が12年ぶりに娘の凛(種村愛サン)と一緒に帰国する。同時に真希の友人・医師の藤倉信明(伊原農サン)もやって来る。真希は不治の病に侵され、自分の終活の仕方を考えていた。この事実が明らかになった所で、物語の様相が一変する。自分の意志で決められるうちに死を受け入れたい真希(前半介護の話が肝)、最期まで生きる意志を持たせたい加代子(助産師という設定が妙)の思い。理屈で語ることの出来ない感情の世界。生身の人間(役者)が観せる”力”に舞台としての醍醐味、面白さがある。「『いのち』の選択をめぐって巻き起こる家族の葛藤」…その結論は ぜひ劇場で観てほしい。自分は兄弟姉妹ではなく、親との関係で同じような選択を迫られたことがあり、その当時を思い出し苦しくなった。

選択肢という点では、米田の地域おこし協力隊としての働き方・生き方、また彼が亮太に向かって新宿二丁目で働いていませんでしたかという一言で、LGBTQという性癖へ話題を広げる。「玉金温泉郷」のポスターが「奇跡の月虹ツアー」に張り替えられ、終活と極楽ノ温が相まって前向きになれる。「死」と向き合った重いテーマだが、2年後(さらっと米田が来てからの年月をいう)のラストシーンは清々しささえ覚える。出来れば、高校生になった凛が方言で喋ってくれると その地に馴染んだと真希も安心したかもしれない。

時間の流れは、照明の諧調で日中や夕刻、そして夜を巧く表現している。そして衣装の違いはその人が生きている世界を表している。旅館の従業員は地味(和)装、一方 真希は洗練された洋装で雰囲気の違いを醸し出す。音楽はラジオから流れるDJの声、オーバー・ザ・レインボーの曲が少し物悲しく聞こえる。
これらの様子を訳ありな宿泊客 田部次郎(演出 だんじだいごサン)が小説として紹介し、自分自身も生きる勇気をもらったと…。余韻と印象が強く残る作品だ。

次回公演も楽しみにしております。
最後に、スタッフの対応(メールも含め)が実に丁寧で感謝いたします。
「ともしびー恋について」

「ともしびー恋について」

メメントC

オメガ東京(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2022/08/12 (金) 14:00

ペシミズムを論じたチェーホフのこの短編は、当然ながらとても哲学的だ。物語の躍動感を期待してはいけない。どうしようもない亭主に付き従って生きてきた女性が、偶然に会ったかつての知人男性と駆け落ちする。こうした恋愛話が男性3人の間で繰り広げられる。どっちにせよ皆、死んでいくのに、何のために生きていくのか。演劇では多彩な切り口で表現されるような命題を、哲学的要素を前面に浮き上がらせている。

シンプルな舞台演出がよかった。ギターなどの弦楽器やピアノで奏でられた音楽がぴったり合っていた。役者たちの実力も十分だ。特に、人妻キーソニカを演じた石巻美香は流れるようなお嬢さま言葉の長台詞を難なくこなし、どきっとするような色気を見せる。

しかし、心に響くような何かを期待して地下の小劇場に入ったためか、消化不良感が強かった。結局「この世のことは何もわかりはしない」とつぶやくばかりでその恋が人生をどう変えたのかなど、まったくわからないままで終わる。そういう舞台なのだということは分かっているのだが。

天の秤 【13/14日分 公演中止】

天の秤 【13/14日分 公演中止】

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

実に緊張感のある舞台、ぐっと引き込まれましたね。事実とフィクションが混然一体となっているけど、日野原先生チョイスのカラマーゾフの兄弟のエピソードが出てきた時には心の中で拍手。

天の秤 【13/14日分 公演中止】

天の秤 【13/14日分 公演中止】

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

緊迫感に引き込まれました。

天の秤 【13/14日分 公演中止】

天の秤 【13/14日分 公演中止】

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

臨場感 、セリフ 、演出 とてものめり込んで魅せていただきました。実際にあったハイジャックを題材に書かれている物語ですが その史実をしらなくても 引き込まれていく作品だと思いました

月虹の宿 (げっこうのやど)2022 東京公演

月虹の宿 (げっこうのやど)2022 東京公演

日穏-bion-

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

夜空を照らす月の下にはたくさんの美しい物語がある、そんな気持ちにさせてくれる素晴らしい舞台でした。どんな命も尊さは同じ、誰もがかけがえのない命を生きている、コロナ禍だからこそそのメッセージが心に響く素晴らしい舞台です。ラストシーンは誰もが月光を浴びて輝く美しい虹を瞼に焼き付けると思います。進化した日隠を見てください!

天の秤 【13/14日分 公演中止】

天の秤 【13/14日分 公演中止】

風雷紡

小劇場 楽園(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最後まで息を詰めて見てしまいました。それにしても知らないことが多すぎる私。帰宅して即ウィキってしまいました。
「剣なき秤は無力、秤なき剣は暴力」という台詞を本当に誰かが口にしたのかは分かりませんでしたが「事実をもとにしたフィクションです」なんて標榜していないところがいいと思います。

迷帰路

迷帰路

劇団んけつ

ピッコロシアター 中ホール(兵庫県)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/10 (水)公演終了

満足度★★★

ほぼ女性が出てくる。皆パワー全開でセリフを間違っても、ぜんぜん動じることなく進んでいく。仲良し女性グループの旅行は、日本に帰ることができたのか…

 【再演】全力青春クラブ♣️

【再演】全力青春クラブ♣️

劇団 竜人世界

道頓堀ZAZA HOUSE(大阪府)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/11 (木)公演終了

満足度★★★★

演者が若いので、パワー全開。夏バテ気味の私は、元気をもらえました❗内容も良かったけど、パワーに圧倒されました❗

12人の私と路地裏のセナ 2022

12人の私と路地裏のセナ 2022

劇団6番シード

テアトルBONBON(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度

久しぶりの6番シードは びっくりするくらいダメだった。役者さんじゃなくて本が。。残念でした。。

『Wise4 × ニュートラル』

『Wise4 × ニュートラル』

火曜日のゲキジョウ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2022/08/09 (火) ~ 2022/08/09 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

Wise4『GAKUYA』
『楽屋』を演じる『GAKUYA』を演じる。どういう事なんだろうか? オープニングの増井友紀子さんのはじけたダンスで、これは『楽屋』ではない、この先どうなる?期待が高まる。面白い脚本 上手い演出 実力のある役者陣が演じるコメディ 最高に面白かった。

ニュートラル 『ユラユラ』
やわらかく ゆらゆら 背景は悲しいいんだけど このやわらかい雰囲気 優しい気持ち 思いやる心が伝わる。 社会では戦争 不景気 勝ち負け 損得 偏見 決めつけ 差別 最近 色んな所で忘れているように思う やわらかい雰囲気 優しい気持ちを、思い出させられた芝居 とても良かった。

ネタバレBOX

Wise4『GAKUYA』
『楽屋』を演じる『GAKUYA』を演じる。 どういう事なんだろうか? オープニングの増井友紀子さんのはじけたダンスで、これは『楽屋』ではない、この先どうなる?期待が高まる。 楽屋での会話 ベテラン女優 若手人気女優 女の幽霊に取りついたチェーホフの幽霊、 幽霊が幽霊に取りつく チェーホフがダメ出し 何故役者をしている、親戚に一番言われたくない言葉  上を目指せ、2.5次元芝居をしたい、チェーホフには解らない。 チェーホフはこの芝居の神様か、邪魔者か 女の幽霊がチェーホフの幽霊が離れられなくなる スマホで除霊を検索 幽霊から幽霊の除霊と引き換えにプロンプターを依頼 幕が上がる 面白い脚本 上手い演出 実力のある役者陣が演じるコメディ 最高に面白かった。

ニュートラル 『ユラユラ』
出演者の 水木たねさん から のたにかな子さん に変更し上演 今は住んでいない実家へ一人でしばらく暮らす 河原に少女が倒れている 少女は起き上がり、話す 母と暮らしている 父親から逃げて暮らす母と娘 夕食を頂く 泊まらせてもらう 柔らかく話す 盆踊り 河原に倒れてみると気持ちが分かるかも 解らない やわらかく ゆらゆら 背景は悲しいいんだけど このやわらかい雰囲気 優しい気持ち 思いやる心が伝わる。 社会では戦争 不景気 勝ち負け 損得 偏見 決めつけ 差別 最近 色んな所で忘れているように思う。 やわらかい雰囲気 優しい気持ちを、思い出させられた芝居 とても良かった。
稲見和人に彼女ができる公演

稲見和人に彼女ができる公演

宇宙論☆講座

OFF・OFFシアター(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/10 (水)公演終了

実演鑑賞

入場時に客に500円が渡されるという持ち出し企画。席を立たずに最後まで観てしまったのは、この500円の後ろめたさ故というか、いや、ああいう展開になると知らなかったから、帰らなくてよかったんだけど。

稲見和人に彼女ができる公演

稲見和人に彼女ができる公演

宇宙論☆講座

OFF・OFFシアター(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/10 (水)公演終了

実演鑑賞

「彼女をつくるため」のみならず、本人がやりたい事をありったけ作品に詰め込んで「役者 稲見和人」の最も輝いた姿を愛でる公演。
一人500円あげるので、なるべく拍手で盛り上げてね。という相当に異色な企画作品。

鹿児島から上京した頃には、まさか下北沢でこんな単独公演を打つ事になるとは思いもしなかったという稲見さん。
観に来た方も上京した頃には、まさかこんなマニアックな演劇世界に足を運んでいるなんて思いもしなかったので、ある意味お互い様ですね。という気持ち

「宇宙論☆講座の公演ではない企画」と銘打っていたのですが、いやいやこれは初めて宇宙論☆講座の公演を観に行った頃の感覚に似た宇宙論☆講座っぽさ
むしろクレイジーな状況なほど光り輝くというその特性は、クレイジーな企画のもと水を得た魚のように光り輝いていたのでした

稲見さんの他に6人の役者さん、そして観客席エリアには彼女さん候補
無計画、無鉄砲な様でいて結構に計算づく、
でもどこまでが計算で、どこまでがガチなのか線引きするのも野暮なので、この公演に全収入をつぎ込んだという涙ぐましさを胸にラスト 交際申込の結果を見守るのでした。
(線引きしないと言っておいて何だけれど、間違いなくここでのやり取りはガチ、ついでに言うならバラシに残された時間がかなり切迫しているというのも間違いなくガチ!)

HEISENBERG【Aキャスト全公演中止】

HEISENBERG【Aキャスト全公演中止】

conSept

ザ・ポケット(東京都)

2022/07/29 (金) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

不確定原理の寓意は特に意識しなかった。とにかくジョージーという女が変わり者でこの人病気?と思わせるような危ない言動があり、アレックスがそれに振り回されながら引き込まれていくような展開で、明確に転換する場面と相まってシュールな芝居の印象を受けた。小島聖さんを久しぶりに舞台で見たが、この役によく填まっている。

クアンタム【8月4日公演、大阪公演中止】

クアンタム【8月4日公演、大阪公演中止】

少年社中

紀伊國屋ホール(東京都)

2022/08/04 (木) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/08/08 (月) 14:00

2014年にチケット争奪戦に敗れて以降、チケットが取り辛そうだったりスケジュール的に厳しかったりして足が遠のいていた少年社中、観るのが9年ぶりとは我ながらビックリ。
劇団☆新感線が1993年3月にribbonをフィーチャーして上演した作品(9年ぶりに観に行ったのはこれによるものが大きい)の骨組みをちゃんと踏襲した上での大胆な換骨奪胎。
あれこれ正反対でありながらきちんと「TIME SLIP 黄金丸」であることに感服。
また、そこここに仮面ライダーやらスーパー戦隊やらのテイストが感じられたことにもニヤリ。
少年社中と併行して脚本で関わっていた特撮ヒーローもので培われたものがこんな風に反映されているんだなぁ、と。

頭痛肩こり樋口一葉

頭痛肩こり樋口一葉

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/08/10 (水) 13:00

座席1階

こまつ座旗揚げ公演で井上ひさしが書き上げた作品。以前から見たいと思っていたが、今回の再演でようやくチャンスが巡ってきた。
父や兄を失い、若くして戸主となって母や妹たちを赤貧の中で支えた作家・樋口一葉の物語。今年は生誕150年だ。一葉は生前、自分に戒名をつけていたというが、井上ひさしの着想は「生きながら死んでいる。だからこそ世の中がよく見えた」というところから始まったという。死者の魂が戻ってくる毎年のお盆を繰り返しながら物語は進む。舞台にどの場面でも仏壇があり、お盆の会話劇が舞台を盛り上げた。

まず、花蛍という幽霊を演じた若村麻由美がすばらしい。この幽霊、自分を身請けして夫婦になるためのお金をネコババした老女を呪って出るのだが、実はその老女にも事情があり、その事情を作った「悪党」にもまた事情ありということで、世の中、人と人とのつながりの連鎖でできているということを舞台を通して提示する。一葉役は貫地谷しほり。彼女らしいメリハリのついた演技で、ピシッと筋が通った一葉の生き方を見せてくれた。

女性6人による舞台だが、それぞれが個性があっていい。男性の身勝手なふるまいにたてつくこともせず耐え忍んだ明治の女性たち。「女が地獄に落ちるには三日もあれば十分さ」という熊谷真実のセリフは強烈。そんな社会を筆の力で変えたいと歯を食いしばる一葉の姿は印象的だ。

劇中歌もいい曲だった。死者が還ってくる「お盆」らしく抑え気味の舞台セットと演出も奏功している。

白が染まる

白が染まる

演劇企画集団Jr.5(ジュニアファイブ)

駅前劇場(東京都)

2022/08/05 (金) ~ 2022/08/12 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/08/09 (火) 14:00

膨大な台詞量と切羽詰まった感満載の人間模様で
観ているこちらが疲労感を覚えるほど「正義」と「現実」の間を引きずり回される。
役者が身も心も痩せるような芝居の醍醐味を堪能した。

ネタバレBOX

●~〇~●以下ネタバレ注意●~〇~●

冒頭、何かを相談に来ているヒトミ(高野志穂)の逡巡する様が
かなりの時間を割いていて、この時間にどんな意味があるのだろうと思って観ていた。
事の重大さはこの後語られていく・・・。

看護学校を卒業後10年ぶりに再会した4人は
リーダー格のジュンコ(紺野まひる)に引っ張られるように、
同じ職場で再び“友だちの絆”を深めていく。

夫のゴウ(奥田努)の浮気と借金に苦しむヒトミは、
ジュンコから「そんな男は殺すしかない」と言われる。
政界にも警察にも顔が利く“先生”に金を払えばすべて解決するというのだ。
ミユキ(罍陽子)もカズコ(山崎静代)も、先生のおかげで救われたのだという。
追いつめられたヒトミは3人の協力を得て、看護師ならではの巧みな方法でゴウを殺す。

他の3人をコントロールする力を次第に強めていくジュンコ。
次はミユキの母を殺すしかない、と持ちかける。
同じころゴウの浮気相手とされたスナックの女性(大嶽典子)がヒトミの元を訪れ、
夫はスナックの女性と浮気などしていなかったことを知る。
ジュンコの言動に不信感を抱いたヒトミは「先生に会わせて欲しい」と告げる。
いつもの強い調子で“友だちの絆”を持ち出すジュンコだが
ヒトミは3人に背を向けて立ち去る。
そして冒頭の警察署内の場面に戻る・・・。

1998年に起きた「久留米看護師連続保険金殺人事件」を題材にした作品。
金のために、追いつめられた人々をターゲットに保険金殺人をさせる、
その説得が「私たち友だちでしょ」という中学生のような台詞であることの異様さ。
居もしない“先生”の存在を信じてジュンコに金を渡す従順さ。
やってもいない浮気や、その浮気相手の夫が自殺して訴えられている、という
デタラメを信じる盲目的な心はどうして生まれるのか。
追いつめられた結果、信じるべきものを見あやまる心理が今一つ弱い気がするが、
それよりもジュンコの強い、恫喝に近い説得や高圧的な態度が
事件の核心であるという描き方のように思われた。
その説得力を体現するのは、紺野まひるさんの他を圧倒する台詞と目力だろう。
華奢な身体からは想像もできないような“欲にかられた強引さ”を放ち、
時に罵倒し、時に猫なで声で3人をコントロールする様は見事。

ラスト近く、別居するジュンコの夫(大村浩司)が見せる
悲しみの色が、胸に迫るものがあった。
ジュンコを守りたいと思ってきたのに守れず犯罪に手を染めさせたと思うのか、
自分もいずれ殺されると思うのか、せめて自分が死んで償おうと思うのか、
その複雑な心境はいかばかりかと思われた。

浮気と借金で結局殺されてしまった夫を演じた奥田努さん、
自分勝手でいい加減で、人の信用を得られない酔っぱらいが最高に巧い。

カズコを演じた静ちゃん、いい感じに馴染んでいて少し驚いた。
キャラを活かした役どころで、横暴な人に従ってしまう、
横暴な人をさえ追いつめずに助けてしまう優しさを体現している。

奇しくも私は2019年9月に、この事件を題材にした
オフィスコットーネの「さなぎの教室」を同じ駅前劇場で観ていた。
人間の普遍的な“欲”を描いて、どちらも秀作だと思う。
それにしてもジュンコ、すごいキャラだな、作家が書きたくなるのも肯ける。







ダイバシティーファミリー

ダイバシティーファミリー

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

意外性のある展開で物語にどんどん引き込まれ、最後は安心のハッピーエンドで心和む。
親子や夫婦といった「家族」を軸としたエピソードが次々と紡がれるが、決して性急ではなく各シーンとも心理描写が丁寧だ。心温まるドラマかと思えば、随所に笑いが散りばめられ、ショウパブのシーンでは観客を巻きこんでのショウアップも忘れない。
約1時間40分の作品でエンタメのエッセンスをこれでもかと詰め込んでくるのは「お見事!」と言うほかない。

ときじく〜富士山麓鸚鵡鳴〜【大阪公演、8月4日公演中止】

ときじく〜富士山麓鸚鵡鳴〜【大阪公演、8月4日公演中止】

カムカムミニキーナ

座・高円寺1(東京都)

2022/08/04 (木) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初めてカムカムミニキーナを観劇しました。
狭い劇場と言うのもあるかもしれませんが、
とにかく八嶋さんと松村さんのオーラが凄い!
演劇は小道具を使い、役者さん達は休む暇なく舞台を駆け巡る、
まるで舞台が生き物のように感じます。

「ルート5、ルート5 富士山麓鸚鵡鳴く(2.2360679)」 
オウム三人組の演技はよりこの舞台のスパイス・・必見です。

蝶々結び

蝶々結び

LUCKUP

上野ストアハウス(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

-monochrome side.-観ました。舞台にはレトロな木造駅舎のセットに蝉の声。開演前から気分が高まりますね。話の方はざっくり言えば夢オチなんでしょうが、情感深くてじっくりと楽しめました。

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