満足度★★★
音楽劇にする意味はどうかな
生バンドを入れての音楽劇は、意外な面白さに満ちていた。中沢新一の「アースダイバー」をベースにして、現在の新宿が「新宿」になる物語を描く。中沢の作品は小説ではなく東京論らしいのだが、そこを巧みに使ったストーリー作りが面白い。また、誕生時の歌舞伎を現代的に解釈すれば、ロックバンドの演奏と英語を交えたセリフという展開は理解でき、全体に、壮大なフィクションをしっかりと維持する構成力はある。残念なのは、歌がイマイチ。ミュージカルとかオペレッタとかのレベルは期待していなかったが、音楽劇としても、どうかなぁ、という人がいたのは確か。全体には非常に面白く見せてもらっただけに惜しい。