縁がたけなわ 公演情報 劇団ヨロタミ「縁がたけなわ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     上演形態がちょっと変わっている、シャッフルキャスト、Wキャストと2つのキャスティングがあるので観る回によってキャストが異なっているからだ。今回は初日、TeamCYANを拝見。尺は約100分。華4つ☆

    ネタバレBOX


     物語は、朝鮮戦争特需で財を成した吉田家の8LDKの屋敷の客間で展開する。この客間のセンターホリゾントの窓からは外部から邸内に入る道に植えられた木々の有様が見える。室内は下手側壁に出入りの扉、対面上手側側壁には食堂や調理室等々へ通じるドアがあるが、面白いのはドアを開けて入った辺りに下駄箱が据え付けられていること、即ちそこから先は土足厳禁であるという発想だ。客間は洋室の和用折衷と言えなくは無いが、下駄箱のレイアウトが如何にも奇異な「和洋折衷」のコンセプトを象徴しており、茶化すかのようである点に今作の喜劇的要素が早くも見て取れる。客室内は現当主の妻が他界した後、水道局を辞任して推理小説家を目指す長女の婿が「画策」して家具、絵画等を売り払い換金して安物のソファーセット等に買い換えた為、そのソファーセットばかりが目につき、デコラティブであった頃と正反対にさっぱりした印象を呈している。(これは無論、演技空間を確保する為の脚本の基本を守っていることも意味する)
     現当主は3年前に妻を亡くし現在はこの広い屋敷で独り暮らし。偶に元オリンピックのスキー選手だった義弟で現在はかつてのつてを通じて依頼されるコーチやオフシーズンの配達業等で生計を立てている松元が料理や庭の手入れ掃除などをしてくれている。娘2人は既に別居、下の娘は小劇場演劇の劇団に属し芝居をやっている。
     また、屋敷が広いのと独り暮らしを良いことに近隣の老人たちが作っているグループの気の置けない集会場所としても利用されている実態がある。まあ、特需で潤った家系でもありこういった“老人会”の代表を務めている関係もあってこのような状態が続いている訳だ。(この辺りの状況設定も喜劇的である)前半は、概ねこのような喜劇的展開が中心で推移するが、中盤から内容がドラスティックに変貌する。
     実をいうとオープニングでは、当主、敬一郎は足の骨を折って入院していた。その時、看護してくれていた看護師、瑞希が退院時に一緒にこの家に来ていたのである。無論、63歳の当主より二回りも年下の恋人としてではない。この家にあったハズの絵を見たいとのたっての希望から同行してきていたのであった。ところが、それを松元が見て恋人と勘違い。而も、長女夫妻、妹、老人会の婦人たちまでが一堂に会することとなり、てんやわんやの事態に発展するのが、前場。打って変わってピアフの曲を背景に内容はグッと真剣味を帯びた後場に入る。実は長女の夫、明は推理小説家を目指していると書いておいたが実際に遺産相続を巡る殺人事件をテーマとした作品を書いていた。その小説の内容、遺産相続を巡る骨肉の争い、明自身が相続に関して異様な程の知識を持ち、ことあるごとにその話を持ち出し、具体的にこの家の相続権問題につるんできていること、看護師、瑞希の、実は・・・。老人会女性たちの恋の行方等々が絡み、大団円に流れ込んでゆく。あとは観てのお愉しみだ。シリアスな展開中心の後場にもかつて声優として名を為し、現在も現役で芝居に関わる熟年役者の活躍と彼の年齢で相変わらずスターであることへのやっかみ半分の模様等をも織り込み、喜劇的要素も配分しつつの大団円、楽しめる。

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    2026/09/03 14:57

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