マッチ売りの少女 公演情報 MODE「マッチ売りの少女」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    知らんがな!
    今回の演出家松本修さんと2003年に本作品を新国立劇場で演出された坂手洋二さんとのアフタートークで、本作品の時代背景や登場人物が何を表象しているのかを聞きました。

    先入観念の無い状況で観た私の感想とあまりにも異なるので、それは事前に勉強していない私が悪いのか、それとも1966年初演から時間が経過しているのならそれなりに工夫が必要なのにそれを怠っている演出家が悪いのか、はたまたただ素直に観れば良いのか考えさせられました。

    ネタバレBOX

    私の感想では、老人宅を訪ねて来た詐欺師の姉弟がああ言えばこう言うで、ずけずけ家に入り込むような印象を受けました。もし、この家で失敗したら次の老人宅を訪ねるのだろうという風に感じました。面白く、いらいらしましたが、現実に起きている話のようで不条理劇とは思いませんでした。

    押し掛けてきた姉が少女の頃にマッチ売りをしていたとなると、確かにマッチ一本何百円の方ですね。夫は戦後マッチを買っていたようです。

    目の前で電車事故で幼い娘が死んだと言う夫は、満州から引き上げるときに子供を亡くしたか置いてきた引揚者を表現しているのだそうです。そして、姉弟は生死に拘わらず満州に残された子供たちです。

    夫婦が洋風なテーブルで紅茶やビスケットを食べる様は無国籍で、日本の戦後20年の風景には見えませんでした。1966年の早稲田小劇場での初演のときには、別役実さんのト書きを無視して畳敷きにちゃぶ台、おにぎりだったそうです。日本を意識していたようですね。

    今回の演出も、戦争中の過ちを忘れ、善良な小市民として生活していた当時の日本人を糾弾する意図なら、やはり工夫が必要ではないでしょうか。

    ザ・ピーナッツの物悲しい曲は哀愁があって良かったです。あれは確かに60年代でした。

    坂手さんによると、姉弟は幽霊かもしれないと言っていました。彼は幽霊物が好きで、自身の作品にも明示、暗示を問わず使っているそうです。因みに私は幽霊物が嫌いです!

    答を教えてもらって観る程つまらないものはありません。伝統芸能になっているのなら構いませんが…。

    素直に観て、とてもイラオモ、楽しいものでした。

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    2011/02/19 22:22

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