フランケンシュタイン対地底童子(クラボッコ) 公演情報 劇団 枕返し「フランケンシュタイン対地底童子(クラボッコ)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     初日を拝見、面白い。華5つ☆ベシミル! なお尺は約110分。

    ネタバレBOX

     尺が、当初の予定より20分程伸びて110分になっているが、様々な要素を入れ込み複雑化したからである。
     実際ホムンキュロスの話まで登場する。ホムンキュロスに自分が初めて出会ったのはゲーテの「ファウスト」に於いてであった。無論、ファウスト博士は人知の限りを学習した碩学として登場しているから、今作に登場するパラケルススのホムンキュロス製造法についての知識も持っていたであろうことは容易に推測し得る。これに加え、今作のタイトルにも含まれる人造人間であるフランケンシュタインは、詩人パーシー・シェリーと駆け落ち後、バイロンが借りていたレマン湖畔の別荘で降り続く雨に閉じ込められていた折には様々な哲学論議や生命伝達、死者蘇生、ガルヴァーニ電気等々についても話し合われていたという環境があった。そんな折、バイロンが集まった5人各々が怪奇作品を書こうという提案をしたのがきっかけでメアリーは後「フランケンシュタイン」として紡がれることになる作品の最初の構想を練ることになり。約1年を掛けて執筆した経緯がある。
     この西洋に於ける成果と我が日本に於ける座敷童、座敷ぼっこ、倉ぼっこ等々の怪異が疑似科学と怪異の個別差、更には新院長、他の医師の研究領域や思惑、実際の行動によって分化される世界を各々の世界に持ち機能する以外にも、枢要な登場人物たちの存在状況そのものが異なる世界を出現させるから、本質的に極めて複雑怪奇な物語としての輻輳性と面白さを持つ、お勧め作品。これ迄拝見した枕返しの最高傑作。
     以上構造そのものが可成り複雑だから分かり難いか? といえばそんなことは無い。オープニング時点で淡いグリーンのライトと更に淡い赤色系のライトが一方のホリゾントを照らし西欧的知の開発した人造人間的世界観を表象するのに対し、赤色系、即ち暖色系の灯りで東洋系を示すのと同様、洋の東西差を示すのに西洋系にはエリック・サティーの曲を背景に流すなど上手く観客の心理を誘導しても居るから理屈より感覚ですっと入って行ける。この意味で演出も見事であり、登場する役者陣の演技も各々が全体と絡み、同時にワンシーンで表現されていたことの意味そのものが変わる難題を優れた脚本を良く演じてグー。

    0

    2026/07/17 17:03

    1

    6

このページのQRコードです。

拡大