われらの血がしょうたい 公演情報 範宙遊泳「われらの血がしょうたい」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    公演前から来場、入場、公演、終演まで全体を通して、情報も上演もガイドもスムーズで洗練されており、充実した観劇でした。

    ネタバレBOX

    これが2015年の作品かと、その脚本の弾力にまず驚きました。今同じ切り口で新作を書いたらどうなるんだろうという期待と興味はそれとして、なめらかに2026年の上演とした額田大志さんの演出に安心感があります。山本卓卓さんの戯曲はほかの演出家の手により強く叩きあげられる印象があるのですが、今回安定して感じられたのは、俳優をふくめた演出が空間全域に対して筋を通していたからのように思います。
    音も、照明も、美術も、空間と姿勢を伸縮させていて、密度があるのに余裕がある、刺激的なのに安定感がありました。音が折り重なり、距離も時間もフラットに飛ばす演出。そこにある4名の身体は、人間を演じていなくも人間臭く、時空を超えても命を感じる。俳優の身体能力の高さと佇まいが力強くありました。
    さまざまなセクションが互いに貢献しあい、充実した上演でした。

    充実ゆえか、もくじの区切られた脚本構成ゆえか、全編を通して淡々とした進行は、時のない時空を揺蕩っているようでした。それは「ザマあるいはゼロ」の感覚に近いのかもしれません。
    そんななか投じられる、後半の「4分の0」による叫び。無限の空間に個の声を投げかける様は数々のSF作品と重なるシーンではありますが、このアナログな叫びは2026年にリアリティを引き連れて響きます。それは大きな衝撃ではなく、私たちはもうこの世界に下半身くらいは浸かっていることを思い出させ、そこに響く叫びは希望と絶望が同居するように感じられました。4分の0役の端さんの、率直であり柔軟な演技にも惹きつけられました。

    劇団活動開始から19年。四方に安定感のある上演が頼もしかったです。

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    2026/07/02 13:41

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