現代韓国演劇上演「四番目の人」 公演情報 名取事務所「現代韓国演劇上演「四番目の人」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    天井から地上1.2m程の高さにLEDバーライトを吊るして部屋の輪郭を縁取る美術。要所要所で青く点灯。

    失感情症の女子高生、赤松怜音(れお)さんが黒沢清映画キャラの雰囲気。ロボットが人間の心に興味を持ち自分もそれを感じてみたくて追求するような話。自分の心、自我、意志、魂、アイデンティティ···。自分自身が突き動かされるような衝動に憧れる。何度も何度も鬼頭典子さんに聞く話は良心の疼きについて。その正体は何なのか?

    パク・ヨンミの1990年のデビュー・アルバ厶に収録された代表曲『私は寂しさ あなたは懐かしさ』。この曲を鬼頭典子さんが昔好きだったと思い出す。
    「私は寂しさ、私は流離う雲。
     私は果てしない海を漂う舟。」

    ネタバレBOX

    ある殺人事件で容疑者となった西山聖了(きよあき)氏。彼は自閉スペクトラム症(ASD)で強く自己主張が出来ない為、担当検事(石井英明氏)によって虚偽の自白を強要され服役。後に本当の犯人を名乗る女(鬼頭典子さん)が検事のもとに自首しに来る。検事は既に裁判の終わった案件に関わりたくなかった為、黙殺した。鬼頭典子さんは良心の呵責からか検事に手紙を送り続け、検察庁の前で独り抗議活動を行なう。検事の娘(赤松怜音〈れお〉さん)は失感情症で自分の感情を認識出来ない。周囲からは無表情でじっと人を観察している気味の悪い人間に思われる。何を考えているのか分からない薄気味悪い奴と。彼女は父のもとにずっと送られて来る鬼頭典子さんの手紙を読み、出所している西山聖了氏と会わせようとする。

    脚本が詰め込み過ぎでリアリティがない。演出もちぐはぐ。役者陣の熱演だけが伝わった。勿体無い。韓国の司法制度ってこうなのか?検事が弁護士に指示して自分の娘を守る?拘置所は検事の思うがまま?警察は機能してないのか?

    自分の犯した罪で罰せられる無実の西山聖了氏。鬼頭典子さんは殺した奴に対しては当然の報いだと思いつつ、苦しむ彼を見棄てる自分が許せなかった。この世界は正しくあるべきだ。だが司法に携わる人間にそんな感覚はない。「真実」や「正義」なんかにそもそも興味などない。現実はもっと歪んでいる。大きなシステムの中、自分に与えられた仕事をこなすだけ。そこに「文学」はない。

    作品内に流れる青い哀しみが84歳ポール・マッカートニーの新曲、『Days We Left Behind』を何となく思わせた。青い青い何処までも青い無力感。

    Paul McCartney 『Days We Left Behind』

    苦しみを抱えることになる奴もいる
    でももっと先へ進もうとした奴もいた

    何一つ同じままじゃいられない
    泣く必要なんかない
    何一つ取り戻せない
    僕等が置いてきた日々

    (中略)

    何一つ同じままじゃいられない
    泣く必要なんかない
    そして誰のせいでもない
    僕等が置いてきた日々

    あの日々は置いてきたままに

    ※赤松怜音(れお)さんの指がごつい。体育会系。

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    2026/06/23 22:27

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