われらの血がしょうたい 公演情報 範宙遊泳「われらの血がしょうたい」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「AI」という題材や設定だけでなく、それによって人間の深部が揺らいだり、輪郭が解けていくような感覚が随所に忍ばされていることの“超”今日性。あまりに「今」に迫り来るストーリーと上演で、11年前の戯曲であることに改めて唸りました。

    ネタバレBOX

    (作品に)時代が追いついた感というか、身近にある実体を持たない知能や知性、生命が終わってもSNSアカウントなどで人格や経験がデータとして残り続けることなど、手触りある体験なども想起しながら生々しく受け取りました。

    失踪した母親が人工知能の家電(ザマと呼ばれている)として現れるという設定もとても引き込まれるもので、ザマとのあらゆる関わりや共存や乖離を、俳優らが複数の役を演じ分けながら魅せる姿もある種では撹乱的な効果を生んでいて、またある種では散らばったピースが揃っていくような実感にも繋がり、奥行きのある観劇となりました。
    AI/人工知能は「人間の経験や知能によって学習させられている」だけあって、当然人間の様々な影響を与える。そして、奇しくもそのことに人間らしい寂しさや物悲しさが宿っていて、その情緒をまざまざと伝える目の前の人間、その集結による総合芸術の凄みに圧倒されました。すごく陳腐な表現かもしれないのですが、人間ってすごいな、と。素晴らしくて、恐ろしい、と感じ入りました。

    音楽と空間の持つ可能性を引き上げる額田演出の妙も素晴らしく、リクリエーションとして強度の高い仕上がりでした。これはほとんど好みのようなものなのですが、引きの画の美しさに息を飲むような瞬間もあったのですが、やや余白が多いようにも感じられ、欲を言えば、もうちょっとギュッとした空間で観てみたかった、という気持ちも少し残りました。

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    2026/06/22 02:40

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