冬に舞う蚊 公演情報 JACROW「冬に舞う蚊」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    感情のぶつけ合いが濃厚でした
    極めての善人も悪人も出てきてはいないように思えたが、
    一人の人間が死を選び、会社の膿を暴露した。
    ということなのでしょうが、時間軸を主人公の行動の前後にまたがり。
    観客を飽きさせること無しに話に引っ張り込みました。
    見事です!

    ネタバレBOX

    劇場に降りてゆく階段横の吹き抜けに、
    意味ありげな椅子+ネクタイ+バック+ロープなどが
    オブジェとして鎮座させられてました。
    入るときは(?)と思い、帰るときに(あぁ!)と思わせる、
    舞台外の演出はカッコ良いです。

    さて物語りは、主人公の富島哲平が社内人事で設計から、
    エリートの出世コース!営業一課に配属になることからスタートする。
    この営業課は公共や業者との癒着=談合にて業績を上げていた部門で、
    哲平は、ぬるい正義感から談合を阻止する為に入札書類を出さなかった。
    で、他社に仕事を取られ。業者から・社内から居場所が無くなる。
    万が一には会社を辞めればいいか、と甘く考えていたら。
    妻の実家が倒産し、蓄えの1千万を出す事になり、会社を辞められなくなる。
    結果、社内でのパワハラで精神を病み自殺する。
    夫の自殺が会社のパワハラによる過労死だと弁護士をたてて裁判をし、
    真実を暴こうとする妻。だが真実が明るみになるにつれ、
    夫が心を病んでいた時に気が付かず、
    自分も夫の死に1翼かんでいた事が判ったりする。

    うーん苦しい話しでした。
    主人公も、ただの良い人とせずに。
    学歴を鼻にかけるトコロもある思慮の足りない奴としており。
    真剣に考えるのなら、談合の根本をしっかり洗って根回しして、
    時間掛けて改善すれば良いものを。
    1回ぐらいの入札無くても会社は傾かないだろうから、
    書類出さないでおこう。って小学生か!
    その仕事無くっちゃ会社倒産して路頭に迷う人間が出る事、
    考えないのが凄かった。
    んで倒産させられた下請けの社長さんからの罵詈雑言!浴びますが、
    自分社長の立場なら主人公抹殺しますね(社会的に)。

    また人間関係も濃くて分かり易く表現されていました。
    チック症状のある主人公の同期。
    主人公に奥さんの取り合いで負けた上に、出世コースに先に乗られた。
    仕事は生活の手段と割り切る、派遣の三橋さん。
    1分でも就業時間越えたら絶対に時間外になるとする。
    なぁなぁにせず、課長も撃退するしっかり者(こーゆー生き方好きです)
    実は酒が飲めなかったのに仕事で呑んでいき、
    痛風まで発症した課長代理など。

    なかなか皆さん芸達者で安心して話しに、のめり込めました。
    でも話しの流れからすると、過労死だと認定されそうだし。
    その理由の談合話も露呈するだろうから。
    よかったじゃない主人公さん、談合潰せて。

    それにつけても時間軸前後させてのサスペンスもので、
    まったく眠気起こさせず、うまい話しで満足でした。

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    2011/01/17 00:40

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  • コメントありがとうございました。
    また長文に渡る熱い感想文に感謝感激いたしました。
    階段途中のディスプレイにも言及していただき、頭が下がる思いです。

    これからも私たちにしか表現できないことを追求していきます。
    またよろしければ足をお運びいただければ嬉しく思います。
    重ねてご来場、ありがとうございました。

    2011/01/18 15:42

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