おくらいり 公演情報 ゼータクチク&ACTACTION by TEAM HANDY「おくらいり」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     これは面白い。タイゼツベシミル。華5つ☆ 尺は95分。10年活動している劇団というが8作目。初の警察モノだという。

    ネタバレBOX

     板奥に段ボール箱を積み重ねた山が 二山。上手の山は下手の山より奥に在り前後にずらしてあるので下手の山の奥が袖の役割を果たす。場面によって上手の山の観客向きの部分がスクリーンとして用いられる。この段ボール山の手前に蓋の空いた段ボール箱が1つ。
    下手観客席近くの側壁に沿って机と椅子が前後に並べられている。手前の机上には電気スタンドが載っている。
     基本的設定ではこの空間は新宿警察署の資料保管室である。無論、場面によって街の張り込み場所になったり、演じられるプロットに相応しい空間になったりする。オープニングでは、作品解説に在る通り、新宿の街角で発砲音がしたとの通報が複数あり誰かが誰かを撃ったとの通報もあった為、現場に急遽駆け付けた所轄警察官らは現場捜索をしたが何ら怪しい物証も形跡も発見できなかった。と、雲を掴むような話から始まる。この後の展開が上手い。更にこの展開の中で所轄の刑事2人がこの事件を追い続けることになる。徐々に明らかになってゆく部分はあるものの肝心の犯人に辿り着くことはできず、犯人と関わった可能性のある参考人は中々見付からない。時効迄二月となった頃、雑誌等でこの事件が蒸し返された。事件の核心を掴み何とか解決に導きたいという念に駆られる人情厚く、正義感の強い刑事は、偶々事件当日逃げる犯人とぶつかって階段を転げ落ち半身不随になってしまった当時22歳だった女性にプレゼントを送ったり何かとケアしたりしていたから猶更であった。然し時効1か月前に現れたのは本庁の監察(警察の中の警察と称される部門)からやって来た監査官である。彼女は至急この段ボールの山の中から一月後に時効になる件の件についての書類を探していた。時間は無い。監察のルールではこの仕事は監察官である彼女独りで遂行せねばならない。然し膨大な量の書類を一人っきりで処理するのは難しい。結果、所轄刑事2人にも手伝って貰うことになった。この過程で世の中で実際に起こっている不条理な出来事や、組織と個々人の諸関係に在る普段隠されている諸問題やその隠蔽の不条理など、国民が常々感じている諸組織の嘘、嘘を糊塗する上書きの嘘・・・、圧殺され踏み潰されて粉微塵にされ人々の意識から抹殺された真実等々数え挙げればキリがないという嘘ッパチの上塗り構造はここでも健在だ。更に物語が進みラストでは謎に包まれていた事件の真相が露わになるが、このシーンでは現実と演劇創作との関係がメタモルフォーゼであるより、寧ろメタ化であるということ、少なくとも今作にとってはそうだと解釈したが、一旦メタ化され劇として表象されている脚本は一見した観客から不条理劇として観られることを拒否し更なるメタ化を目指していると捉えた。実に面白い。

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    2026/04/01 03:42

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