始まりの終わり 公演情報 ムニ「始まりの終わり」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    とんでもないことに挑戦していると聞き少し緊張しながら向かったけど、"始まり"から"終わり"まで面白かった。
    忽ち舞台上の5人に取り込まれ、自分がその内の誰かである様にも、残る1人である様にも感じられ、人間ひとりの不在と存在の曖昧さを自分の心身を通じて体験した。理解しようと思って作品や人物を追うことによって見えてくるものもあるけれど、溢れ落ちるものもある。
    それは、他者を分かろうとする、分かるものであるとする行為がかえって他者の存在(やあるいは不在)を限定してしまうことにも通じている気がする。目の前の風景に身を任せることでそんな実感に辿り着ける様な劇体験だった。
    そして、自分の中に潜在的にある他者を分かりたい、関係したいという切実と傲慢のいずれもに向き合わずにはいられない時間だった。

    以下ネタバレBOXへ

    ネタバレBOX

    着ぐるみを着て生きている自分とそうではない自分がいて、できれば後者のまま他者とともにありたいし、他者にもそうあってほしい。だけどそうもいられない。グミは私自身であり、他者そのものでもあった。

    そこにいなかった第三者として話を聞いただけなのに、時間が経って自分もその出来事の中に存在していたかのような錯覚を起こしたり、会いもしていない他者の存在が自分の中で膨らんだり、自他の境界がぼやけたり揺らいだりする瞬間は日常にもある。
    そんな風にいつか、例えばおばあちゃんになった時なんかに、修学旅行に行けなかった友達とニセ修学旅行に行ったことのある気がしてしまうかもしれない。居酒屋の喧騒やラーメンの後の胃もたれ、W杯の明け透けな盛り上がりなんかを一緒に思い出したりするかもしれない。帰りにどうしてもラーメンが食べたくなって食べたから余計に。他者の中に参加したい、存在したいという欲求を背脂とともにかっこみながらそんなことを思った。もちろん一人前を完食した。やっぱりとんでもないことに挑んでいた。5名の俳優が上演中それを感じさせないことこそがやはりとんでもなかった。まずは上演のみから受け取りたいという思いからいつもは当パンも最後に読むけど、珍しく開演前に。「話を追わなくても、なんだこりゃって思っても大丈夫」という旨が書いてあったので身を任せてたらかえって言葉や風景が入ってきた。わかろうとせずに観るのおすすめかも。

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    2026/03/31 17:00

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