枯れた椿 公演情報 中央大学第二演劇研究会「枯れた椿」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     学生演劇とは思えない質の高さ、見事だ。華5つ☆。終演前にアップできず申し訳ない。

    ネタバレBOX

     開演前には昭和のポップス草創期を飾ったザピーナツの「ふりむかないで」や坂本九の「上を向いて歩こう」等の名曲が流れており、オープニングで主人公の友人でひょうきんなススムがとんでもなくズッコケた調子で「ふりむかないで」を歌い、踊るのでイキナリ惹きこまれた。
    この導入部から急転直下、話はススムが練習してきた八百比丘尼伝説の原点へなだれ込む。この導入部の上手さ、格段である。
     板上は奥に、二層構造を為す建築物、二階部分は奥と側壁側に襖が見え、上手側壁の前には箪笥型の収納家具。部屋中央辺りに四角い卓袱台が見える。
     その下、一階部分は観客席側にかなり太い格子で組まれた空間が見える。この格子の上手及び下手には片仮名のハの字を更に開いたような按配で衝立が見えその衝立に覆いかぶさるように天井から観客席側へ斜めに張られた和服のような色調の布が見える。つまり布の下部に大きな衝立が置かれているのだ。この衝立に描かれている線状の絵はこの椿が枯れる時、自分の命が絶える。と言ったとされる伝説の人、八百比丘尼の椿直系の椿を表す。因みに伝説の椿は切られ、為に八百比丘尼は亡くなった。衝立の角には行燈風の灯り。
     この二層構造の建築の手前が通常の板部分となっており、場面、場面で主人公オサム(高校生。3月生まれの魚座・血液AB型)やその友、ススム。地方の資産家の娘シズクらが通う高校の教室になったり、オープニングでは広場になったり。場面によって長方形の和用テーブルや箱馬が用いられて場面に相応しい情景が作られる。
     感心したのは、演劇の基本である小道具に至る迄総て観客の目に入る物は劇中で用いられるという原則が基本的に守られている点にも出ている。その一例が二層構造の建物の二階部分に置かれた箪笥型収納家具の手前に子消しが置かれていることである。(後移動したと見せかけて大型の物に変えられていたような気がする)
     何れにせよ、上に挙げた高校生三人が、資産家の娘、シズクの実家がある日本海と連なる山々に囲まれた村へ卒業旅行に誘われ同道することになった。シズクは資産家の娘であることがそれとなく語られていたが、それは事実であった。オサムの家は母子家庭で問題があると、ススムは母から友達付き合いを責められるシーンが旅行話の前に既に演じられており、そんなことを母が問題視せざるを得ないススムの家とて決して裕福とは言えないことが既に示唆されていた訳だ。而も旅行はシズクが持ち出した話、ロハと突っ込むのはススムのキャラから言って自然である。
     さて、こんな経緯でシズクの実家へ豪勢な車で向かった三人だったが、車が通れる道は実家には繋がっていなかった。幾つもの山を越え漸く辿り着いたシズクの実家は、かつて豪族として栄え、現在も村長(ムラオサ)として頂点に立つ家の格式と実力を具えた家であった。食べ物は今迄味わったことの無い程の旨さ。高校生だから酒宴のもてなしこそ無かったものの、格式を感じさせるものであった。
     だが、信じ難いことが起こった。(ここからがクライマックスなのだ)
    評は、こんな調子でいくらでも書けてしまう傑作だが、何れ再演して欲しい作品である。脚本、演出は尾藤 光氏、役者陣の演技も良く舞台美術もグー。照明は物語の展開を更に効果的に魅せる機微を得た素晴らしいものであったし、音響も用いた音源、選曲のセンスが抜群、とても学生演劇とは思えない質の高さを示した。今後の皆さんの活躍に期待したい。

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    2026/01/19 11:38

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  • 皆さま
    ハンダラです、上演中にアップできず申し訳ありませんでした。

    2026/01/19 11:39

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