サイハテ 公演情報 演劇企画集団Jr.5(ジュニアファイブ)「サイハテ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     可成り哲学的に解釈できる作品。面白い。お勧めである。目の具合が良く無いので誤記が多いかももしっれない。追記後送

    ネタバレBOX

     板中央に大きなラウンド。ラウンド上には女が1人腰掛けている。衣装は白。女の右手の先辺りに低い白い布の掛かった箱馬、その上には包まれた何かが載っている。女の背中側にも矢張り少し高い箱馬が矢張り白い布を掛けてあり、上部には包まれた何かが載っている。女と箱馬を取り囲むようにラウンド上に行儀よく置かれた革製の旅行鞄、おびただしいズボン、シャツ、下着等の衣類。更にラウンド下の床面にも多くの衣類が落ちているかのように置かれている。女が座っている処から観て右側には白い紗のクロスが天井から床まで延び恰も袖の如く見える。
     オープニングでは男が探し物をし、それが見付からずに妻に詰られるシーンがあるが、これは妻が夫の出掛けることへの抗議とも取れる行動であろう。袖のように機能している紗幕の奥に鞄を隠したのは妻自身であった。
     夫は被差別民の出身。この社会では最下層と思しい。出身階層が低い為予めつける職業は限られている。所謂3K、それも人々が最も嫌う浄穢屋(劇中では国民汚物課下水処理班と呼ばれる組織)であった。40年間愚直に働き漸く60歳で退職、生まれて初めて自由を夢見ることが出来るチャンスが巡ってきたのだった。旅行鞄はそのチャンスにチャレンジする旅に出る為、多くの衣類や包まれた物も鞄に詰め或いは手にもって出掛ける為に準備していた物であった。目指すはサイハテと呼ばれる場所。其処には自由が在るという、その場所だ。
     ところで、サイハテへ辿り着く為には国民管理局の許可を受けなければならない。男を被差別民と定め、就ける職業を定めた組織であった。当然選別は極めて厳しい。10年チャレンジし続けて成功せぬ者、それどころか生涯成功せぬ者も居るという。表向きは運次第ということになっているものの無論、勤務時に犯した違反、問題行動等があれば一生パスしない。何となれば国民管理局のレゾンデートルは国民を一つの例外も無く管理することが建前だからである。

    0

    2025/12/14 12:21

    1

    2

このページのQRコードです。

拡大