首2 公演情報 きっとろんどん「首2」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     流石北海道から態々乗り込んできただけのことはある。華5つ☆ 尺は約110分、出来が良く発想の面白い脚本を可成りスピーディーな展開で魅せる。序盤、板上に用意されたスクリーン上に事件のあらましが表示されるが目の不自由な方々が読み終えられなかった場合に備え、口頭での説明が作品中で述べられる配慮も気が利いて居る。

    ネタバレBOX

     今作は実際に起きた事件をベースに脚本が書かれている。2023年7月に札幌すすきので在った猟奇殺人ととれる事件だ。犯人は29歳の女性、被害者は62歳の男性であった。ホテルの1室で男性が殺され首が持ち去られていた。結果犯人は殺人罪等で、両親は死体損壊幇助等で起訴された。
     犯罪は世相をその本質を深い処で明らかにする。今作も狂いに狂った現代日本社会そのものを正確に捉えていると言えよう。初見の劇団であるが若い力に溢れ、メンバーの多様性があり多様性故に困難なことも多かろうが、そのような状況に鍛えられることによって益々豊かに、深く、世界を表現することが出来るようになろう。今後を期待できる劇団と観た。
    実際に起こった事件をベースに戯曲を書いた作家としては「曽根崎心中」を始め多くの実際に起きた事件を世話物として表現した近松門左衛門、「東海道四谷怪談」を書いた四代目鶴屋南北等が挙げられよう。近松に関しては実際に起こった事件をベースに書かれた作品が多いことは誰でも知っていようが、四谷怪談はどんな事件に関わっていたのか? 気付かない人が居るかも知れない。赤穂事件である。気になる方は四谷怪談を読み返してみると良い。
     さて、本題に戻ろう。第一段落で記した事件の概要をベースに脚本を書くことにした劇団員たちは、取材を始める。劇団員4人のうちの殆どが東京に出て来ているが、事件現場は皆の故郷・札幌。それで取材の為取り敢えず札幌へ飛ぶ。可成り異様な事件であり犯人の精神鑑定も行われようとの辺りを付け作家は犯人を診察した医師を割り出し探りを入れることから始め、他のメンバーは犯人が同い年であることから犯人の履歴を割り出す等のサポートをするなどをし始める。その内、メンバーの1人が超能力に目覚める。すると次のメンバーにも異なる超能力が獲得されてゆく。こうして各々のメンバーが異なるん能力に目覚めた。而も能力は各々の訓練によってより強化されていった。各々の能力を幾つか上げるとサイコキネシス(作中ではテレキネシスが用いられている)、対象の思考を読み取る力、記憶を消す力等々の力である。メンバーらはこれらの能力を連携して用い犯人とその二親、医師からも情報を得ていた。
     一方、巷ではこの衝撃的事件がもてはやされSNSでの拡散もあって犯罪者と親は晒しものにされるといういつもの苛酷な異常事態が巻き起こっている。劇団員たちはこの事件を脚本化し無事上演することが可能か? との緊迫感が高まる。そんな中、切断された頭部の皮が剥がれ犯人が作ったオブジェに用いられていたシーンも演じられた。インパクトの強烈な作品である。


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    2025/11/29 16:42

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  • 皆さま
    ハンダラです、アップしました。ご笑覧ぅダサい。

    2025/11/29 16:45

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