満足度★★★★
復活!今作が「本公演」という位置付けという事は、原点に戻ったっていう事なのかな。濃厚で、近くて、楽しみました。
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2010/11/07 00:15
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2010/11/07 12:50
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原点回帰。
言われて気付いたところもありますが、まさしくです。
原体験に根ざしているのかわからないのですが、
僕の作品は、スラスラっと話せるような思いつきの物語が、いつも自分のベースにあります。着想、というところでしょうか。
ド素人のときはそれをそのまま舞台に上げてふんぞりかえっていたのですが、すこしずつ、見栄を張らねばならない程度にキャリアというか、年数を重ねる内に、
どうも演劇的、戯曲構造的な技術を習得していかねばならない、ということをなぜか思い、以来、作品をいじくりまわすようになってしまいました。
この不毛な試行錯誤で得たものももちろんありましたが、本来的に外からのメソッドを組み込もうと言う作業は自分の物語には合わず、なにより自分が自分の作品を見失うことも多かった実情でした。
ご覧頂いた『鬼桃伝』しかり、『海ノ底カラ星ヲ見上ゲヨ』しかり、
「こんな物語を書こうと思っている」と仲間に話した原案の時点ではすごく名作になりそうだったのに、本番にあがるころにはいろいろ無駄が張り付いてわけがわからなくなっている、そういう事態ばかりでした。
自信がなかったのもあるのかも知れません、アングラにみせたり技術武装することで、大人ぶりたい、というか、演劇的に認められたいというか。。。
しかしそれらがどうにも失敗で。
出演人数に関しては、浅はかなりに動員のことなんかも考えたりして、無理矢理に登場人物を増やす、そのためにはエピソードを増やす・・・・
おぞましいですね。
真摯に焦れば焦るほど、大切なものを失っていたように思います。
しかし勝負をかけた作品の12月公演で、大きく空振りをして、考えました。
自分の作品の自分らしさとはいったいなんだったのだろう、
このまま続けて、果たしてコクーンに道がつながっているのだろうか。
答えは、否、でした。
それからは、自分の感性への疑心暗鬼まで生まれ、けれどそれにすがり、あっちにフラフラこっちにフラフラ。。
落語や歌舞伎を学び、児童劇に参加し、路上で芝居をし、野田地図に参加し、
それぞれが素晴らしく、またそれぞれに不満もありつつ、
いろいろなことを経た結果として、
ある日強い衝動が起こり、創りあげたものが、今回の作品でした。
コクーンにいきたいと言いながら矛盾にも思えますが、
小劇場は卑屈な文化であってほしくないと思います。
野田さんや古田さんを目の当たりにして、
完膚無きまでに具体的な敗北感を感じました。
そして気付いたのは、いままでの作品は、彼らに「観てください!」とは言えない作品だ、ということでした。
なんだ、何でなら勝てる?
悩みに悩みました。
もちろん、これからも悩まねばならないですが、どんどん勝負をしていこうと思っています。
長々と、自己啓発的なコメントを送ってしまうことお詫び申し上げます。
ずっと見守っていただいているのが嬉しくて、思わず。
今後とも、どうぞよろしくお願いします!
拓馬