必ず訪れる日~石鹸工場~ 公演情報 かもねぎショット「必ず訪れる日~石鹸工場~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    悲劇を喜劇に変える技量
    特色のある商品を生み出すことができず経営が傾きつつある、石鹸工場のラインが舞台。

    ネタバレBOX


    登場人物は、ラインで働く4人のパート社員、正社員である班長、そして主人公ともいえる工場長の6人。
    そこに、3人の幽霊が絡みつつ、繰り広げられるコメディー。。。

    3人の幽霊は、それぞれ工場の元社員で、会社に対して恨みを持つ。
    一人は、先代社長の命を受け、石鹸に麻薬を混入させた商品を作成し、そのことが発覚しそうになり、責任を押し付けられて自殺を図った元社員。
    あとの二人は、その麻薬混入済みの商品の運び屋として乗った飛行機が墜落してなくなった元社員。

    また、工場長も会社に対して、恨みを持つ一人。
    長男でありながら、社長の器とは判断されずに、弟に社長の座を取られ、自分は工場長の職に追いやられ。。。

    と、アウトラインだけを拾い出すと、ストーリーそのものは、悲劇を地で行くような内容。
    しかしながら、そのようなことを全く感じさせないようなふわふわとした石鹸の泡につつまれているような空気感で喜劇が演じられる。
    まるで、(石鹸で)洗い流すことができない「恨み」はないと言っているかのようである。
    タイトルの『石鹸工場』と『恨みを洗い流す』が見事に表現されているように思う。
    達者な役者陣に支えられ、面白い舞台に仕上がっていた。

    ベテラン陣の素晴らしはいうに及ばず、若い幽霊を演じた石川南海子と、栗栖千尋のおっとりした演技も今後を期待させるものであった。

    当劇団は、ダンスとストレートプレイの2本柱で公演を行っているとのことであるが、今回のようなストレートプレイを今後も生み出し続けてほしい。

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    2010/11/05 12:20

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