ビントレーのペンギン・カフェ 公演情報 新国立劇場「ビントレーのペンギン・カフェ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    バレエの美しさと生命賛歌
    新国立劇場バレエ団による『火の鳥』『シンフォニー・イン・C』、そして『ビントレーのペンギン・カフェ』の豪華3本立て。

    それぞれ40分程度の小品ながら、バレエの美しさ、楽しさ、豪華さを十分に味わえるものであった。

    大満足。

    ネタバレBOX

    ペンギン・カフェ・オーケストラと言えば、ブライアン・イーノのレーベル、オブスキュアからデビューし、人気のあったユニットだった。
    いろいろな音楽的要素をミックスしながらも、現代の室内楽とでもいうような、その楽曲は、とにかくオシャレな印象があった。
    (もっともオブスキュア・レーベルの他の作品に比べて、オシャレ度が高すぎて私はあまりきちんと聴いたことないのだが…)

    そのペンギン・カフェ・オーケストラの曲をもとに(しかもペンギン・カフェ・オーケストラの中心サイモン・ジェフズ自身の手でオーケストラ用にアレンジされて!)行われるバレエということで、興味津々ででかけた。

    40分程度の小品ながら、ユーモアがあり、風刺がある優れた作品だった。
    バレエというよりは、コンテンポラリーダンスのようであったが、さすがにバレエで鍛えている出演者の身体のキレは素晴らしいものであった。

    思わず、笑いが起きるようなユーモラスな動きや、刺激的なシーンなどを交え、物語は、ペンギン・カフェ・オーケストラの心地良い曲に乗り進行していく。

    物語では、人間を含めた動物たちの危機が描かれ、ラストに救いが示される。
    その「救い」とは、実は、まだそういう救い(対策)は何もないのだ(何もないままに絶滅しつつある種がいるということ)、ということを示唆している。

    このほかに、セットや衣装などの作りが豪華な『火の鳥』とシンプルな『シンフォニー・イン・C』の3本立て。

    セットも何もなく、一番シンプルな『シンフォニー・イン・C』は、踊り手たちの力量が試される舞台であったと思うのだが、みごとにシンクロする姿や形の決まり方は美しいものであった(踊り出しのタイミングの凄さ!)。
    特に、特に最終楽章の美しさ、豪華さには目を奪われた。
    ため息ものである。

    バレエっていいなと、しみじみ思った次第である。

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    2010/11/03 07:18

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