犬の刺客 2025 公演情報 友池創作プロジェクト「犬の刺客 2025」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     初日を拝見。

    ネタバレBOX

     三度目の再々演ということだが、表現する者総てに係る生活と芸道への忠誠心(自らの主張を世界に敷衍しようとの希み)の葛藤を描く。芸道(表現する者の表現したいもの・ことが在る以上、それを受容する側(観客)なり支持者、ファン等と介在するメディアも関係するし制作スタッフや音響・照明・出演者の男女関係や衣装・舞台美術、演出等々との関係。表現する者同士の関係(コンビ、香盤表内位置づけ等)も総て絡んでくるのは当然のこと。一筋縄ではゆかぬ。興行を打つには金も掛かる。客を呼べねば金は入らぬ。金が稼げるようになるには芸達者であることは当然のこと乍ら、人気も必要。様々な要素が相反する現実が錯綜し競合するのが実際に起きることだ。このような状況で表現する者として何を要求し、アピールするか? それが実際観客に受け、採算ベースに乗るのか? これは現実が当事者達に要求してくる逃れようのないリアルだ。そのような中で藻掻き打開策を見付けようとぶつかり合い、誤解しあったり、意地を張り合ったりしつつ生きることの生々しさを描く。なかなか心に残る作品だ。これに作品を如何に評価し観客と演者たちを繋ぐか? に関して重大な役割を果たすプロメディアが絡み、ファンが高じたユーチューバーの画策が絡んで週刊誌政治部に居て有力政治屋と大企業の結託の証拠を掴み暴いて掲載直前に上から取材データを没収され干され芸能部に強制移籍された有能記者の顛末が絡んで、よくある事実を、そして日本のマスメディアがマスゴミに変質した大問題を突きつけて、リアルな側面を垣間見させ突きつけつつ、新たな流れであるユーチューブやSNS等素人やセミプロ絡みの閲覧者数ベースの「表現」が混じりこんがらがって展開する物語。尺は95分。
     個人的に気に入ったのは週刊誌記者役の女優さん。プロとして当然のことである取材をする為の事前の下調べをキチンとやっていることが過不足なく表現されているシーンで、プロ記者としての腕を演じてグー。

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    2025/07/30 10:05

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