百年の絆―孫文と梅屋庄吉 公演情報 東京ギンガ堂「百年の絆―孫文と梅屋庄吉」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    東洋の王道
    中国革命に賭けた孫文と、孫文との盟約に生きた日本映画界の風雲児、日活の創始者、梅屋庄吉の物語。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    『君は兵を挙げよ。我は財をもって支援す。』1895年(明治28年)、孫文(27歳)と梅屋庄吉(25歳)が香港で出会い、孫文の志に共鳴し支持した庄吉が言った言葉だが、今の日本政府がアメリカの軍隊に放った言葉かと勘違いしたくらい、今でも通じる言葉だ。

    以来30年、2人の友情は、いかなる状況下でも変わることはなく、また庄吉を陰になり日なたになり支えたトクさんのキャラクターが絶大だった。中国革命と日中の2人を取り巻くさまざまな状況を解りやすく丁寧に綴った舞台だったが、個人的には無理に音楽劇にする必要はなく、ストレートプレイでも充分に勝負できる公演だったと思う。

    孫文役をやられた張春祥の演技力は流石に秀逸だったし、他のキャストらのポジションやキャラクターの立ち上がりも絶妙だった。たぶん、過去に観た「東京ギンガ堂」の公演の中では一番感銘し、一番納得のいった芝居だったと思う。物語の筋や登場人物たちの人間関係なども実に良く描写しており、なぜ庄吉がこれほどまでに中国革命に拘ったかのかも理解出来た。

    病んだ国を治し中国国民の自由と解放の為に革命を起こした孫文はやがて癌に侵されその命を絶ったが「新しい世界」を求めて戦った男たちの歴史はいつの世も崇高で気高い。
    『日本の進むべき道は「西洋の覇道」ではなく「東洋の王道」となってほしい。』と庄吉に残した孫文だったが、今の中国と日本の関係を想像できただろうか。

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    2010/10/25 16:07

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