人間のあくた 公演情報 吉祥寺GORILLA「人間のあくた」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     扱っている問題が本質的なので観る者次第でいくらでも深読みできるが、無論その分、如何様に表現するか? 難しい処をいい塩梅で表現している。単に面白いというのではない、オモクロさが楽しめる。役者陣の演技、演出、音響、照明もグー。(追記予定)

    ネタバレBOX

     タイトルに先ず捻りがある。“あくた”は主人公の名・アクタと重なるが当然のことながら人々は塵芥を想起する。“ちり、あくた”だ。即ちつまらないものなどの例えだが“もの”を開いて表記したのは、人と物を、差別する側が同一視点から観ているからである。つまりゴミ、クズと評価している訳だ。自分達と寸分違わない同じ人間を。
     タイトルからだけでも最低このくらいのことが見て取れる。オープニングの演出も素晴らしい。漸く舞台が見える程度の昏い照明の中、風が吹き荒れる音や雷を背景に白い剥片が地下から吹き上げられるように舞ったかと思うや、朗読調の台詞が此処、彼処で叫ぶように始まる。板に着いた大勢の役者たちが台本を持って読み上げるようなスタイルを取っていたのである。その台詞の一言、一言に台本の一片が宙を舞う幻想的なオープニングは、息を吞むほど美しくいきなり観客を劇空間に引きずり込む。 明転するとホリゾント上手の一角は羅生門に見えた。

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    2025/06/27 13:39

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