表に出ろいっ! 公演情報 NODA・MAP「表に出ろいっ!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    裏「ザ・キャラクター」
    中村勘三郎ファンが多かったのか、一挙手一投足に観客大ウケ。
    でも、勘三郎さんはサービス精神旺盛でした。 歌舞伎パロディやって
    笑わせてたり、他ではしないようなぶっ飛んだ動きしてたり。 
    その捨身のパフォーマンスがすごく面白かった(笑
    若手女優さんも溶け込んでた、というより溶け込み過ぎてた(笑

    特に序盤の、若干引きそうになる程の高テンションについてこられるかで
    結構決まってくるかな、と思います。

    しっかし最後の台詞、相当キツい皮肉だねぇ…。

    ネタバレBOX

    内容は、まんま上の「説明」に書いてある通りです。
    母親はいい歳して若年アイドルグループ、父親はアトラクション、
    娘は… あの「書道教室」にモノの見事にどっぷりハマってしまっている。

    前半は「ザ・キャラクター」と同じく三者間のドタバタで進行していくけど
    ひょんなことで娘の行き先がバーガーショップのおまけ目当ての行列ではなく
    「書道教室」ということが発覚してから、舞台に何ともいえない黒い雰囲気が
    立ち込めてくる。

    家元のいう、「世界の終り」を信じる娘は、それゆえにそれを信じない
    両親と対立、家元から授かったという「人魚の粉」を飲むといい出す。
    なんでもこの「人魚の粉」を飲むことで人は生まれ変われるらしい。

    …「ザ・キャラクター」を観た人は、ここでこの場面の雰囲気が
    あの「地下室」でのやり取りと被ることに気がつかされます。
    実際照明も、あのシーンと全く同じものにされててぞくっとした。
    三人が互いを鎖でつなぎ合ってるのもまるで同じ。

    三人を外に行かせない為につけられた鎖はそもそも三人が
    自分の信じるものを強硬に捨てられないことの結果。
    それなのに、それに呪縛され自分ではその鎖を脱して外に
    脱出することが出来ない。

    結果的に自分で招いた鎖を外すことことすら他人に期待する、その滑稽さ。

    でも、決して三人を笑えない。

    ここで「演劇」をレビューしている私が鎖につながれている、それを自分で
    外せないでいる、そのことに気がつかないでいるかもしれないし。。

    ちなみに、最後勘三郎さんが演じる能楽師の

    「神様でも泥棒でもいいから水を飲ませてくれ!!!」

    はキツかった。 

    結局窮地に陥った時には、自分の全てを賭けると言い張ってた趣味嗜好も
    水以下、張り子の虎だったわけで、じゃ、そんなの今まで信じちゃってた
    貴方って一体何なんですか? という皮肉な一撃をくらった感じ。

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    2010/09/21 21:25

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