トリオ 公演情報 NonoNote. 「トリオ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     仲間内で1人の男の争奪戦! 

    ネタバレBOX

     物語は主として女性音曲漫才トリオの楽屋で展開する。この楽屋、かつて長らく小屋でピンを張っていたリーダーが、着替えが間に合わないと板に一番近い場所に作らせた楽屋とあってそれなりの格式と総支配人との様々な関係もアカラサマであるが、問題はトリオのメンバー3人総てが副支配人と関わっていることである。時は1970年代初頭、未だベトナム戦争は終結しておらずディケイドの初めには三島の割腹、72年には日中国交正常化、沖縄闘争をメルクマールとしての左派弱体化、舞台となっている新宿のヒッピー、フーテン、フォークゲリラ、サイケデリック流入と共に流行ったLやG等々、実に面白い時代ではあったが、今作ではそのような即面を持っていた昭和の特に新宿の騒乱状態は殆ど触れられておらず、脚本家は泥臭い時代だったと捉えているのではないか? と感じた。実際に当時宿で遊んでもいた小生などはそのように感じるのだ。まあ、ラリッた奴がアイスピックをカウンターに入って持ち出し他人を刺したりヤクで矢張りラリッている奴が刃傷沙汰を起したりはあったが、誰が店の人間なのか分かっていない客が多く、そいつらもラリッていたりしたので、怪我人の周りだけがワヤワヤしている状況で他は何てことはなかった。唯兎に角アナーキーな時代であった。
     そんな時代にⅠ人の男を取り合う女たちの三つ巴の戦いが描かれる。ソフィスティケートされていないギャグが多用されたり、サービスのつもりなのか、くどいと感じる場面が多かったのは脚本のせいなのか、演出のせいなのか不明だがスマートではない。(まあ、この辺り観客の好みもあるから一概には言えないものの)中盤から後半に掛けてはドンデン返しもあり楽しめた。

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    2024/12/20 14:53

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