その男ホーネット加藤 公演情報 映像劇団テンアンツ「その男ホーネット加藤」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ベシミル。華5つ☆。
     2部構成の作品だが第1部「燃えよ前説ドラゴン」を拝見。第2部も痛烈に観たくなる出来だ。

    ネタバレBOX

     掴みは小ネタやコントのような形式を用いたりもしつつ伏線も同時に張る趣向で、観客の
    興味を兎に角板上に惹きつける。この辺り、小劇場演劇に関わる劇団の苦労が分かる作りであることは、本編がストレートプレイの王道をゆく内容であることからも明らかだ。つまりギャップが大きい。その落差の分本編の深刻さ、演劇化された現実のリアル、一般の人々には知る由もない被害者たちの苦しみ・苦悩と、その苦境を救うお伽噺の切実が観客の心を撃ち抜くのだ。脚本、演出、演技もグー。特に加藤役、詩穂役が気に入った。以下少々ネタバレ。
     元役者で才能も情熱もあったが、現在は芝居にのめり込む余り一人娘を連れ他の男の下に走った妻と別れ、それでも芝居からは離れることができないまま前説士として小劇場演劇に関わり続けている男、それがホーネット加藤だ。功夫映画の全盛を築くきっかけを作ったブルース・リーに憧れ独学で彼の功夫(ジークンドー)を学んだ加藤は、偶々オーディションで出会った少女が、実は妻に連れ去られたまま生き別れた実の娘(詩穂)であることを知る。詩穂は腕に包帯を巻いていた。
     原因は、義父である班に12歳でレイプされて以降性的虐待、売りをやらされその上がりを総て収奪され、暴力てねじ伏せられて自殺未遂を何度も図るような地獄に追い込まれていた事である。実母は班を恐れ全く当てにならなかった。加藤は実父であることを隠しつつ、詩穂の傷ついた魂を何としても救うことを決意する。
     当然の事ながら班は徒党を組み配下を従えており、務所内から配下に指令を出しては魔の手を広げている。遂に・・・。後は観てのお愉しみだ。期待は裏切られまい。

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    2024/12/12 14:37

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