栗原課長の秘密基地 公演情報 SPIRAL MOON「栗原課長の秘密基地」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     華5つ☆、必見! 脚本、演出、演技何れも素晴らしい。流石にSpiral Moonの作品だ。殊に要を得た脚本が、役者が脚本に書かれた役を演技するというより、演技者に憑依するような脚本と感じる程脚本、演者の表現が素晴らしい。ネタバレ部分は、取り敢えずのネタバレ迄、余り詳しく書き過ぎるとこれから観る人の興を削ぎかねないから。

    ネタバレBOX

     脚本は土屋 理敬さん、この脚本を選ぶ目がグー。演出はいつも通り秋葉 舞滝子さん。
     物語は児童書等の出版も手掛ける出版社の一室で展開する。板上は下手側壁の奥に出入り口のドア、壁の手前にクロスの掛かったテーブル。椅子は3脚。壁面には時計が見える。ホリゾント手前にも矢張り同様にクロスの掛かったテーブルと椅子3脚、上手側壁も同様にテーブルと椅子が並んでいる。無論下手と上手の席は相対して向き合っていて下手テーブル側は受賞者が入場時に座る席。ホリゾント前の席には審査員の席がそして上手の席は受賞した3人が賞状や盾、賞金を貰って着席する席があり、壁には伝統あるきつつき賞受賞を記す看板が掛かっている。因みにホリゾント審査員席の更に上手の壁の前には受賞者各々への賞品が置かれたテーブルがある。
     きつつき賞は児童文学会では権威も伝統もある文学賞であり児童文学の一流作家の登竜門としての地位を占めている。従って大賞を獲得した作品は必ず出版され読者の目に触れることも多い為児童文学作家を目指す作家志望者には垂涎の的である。今回の応募は382作品。選ばれたのは大賞が1編、佳作が一編、そのほか功労賞が1編の3編。出版界の不況もあってどの出版社も台所事情は厳しい。
     そんな状況の中、今回この賞授賞式の責任者を務めるのは、ビジネス情報誌の鬼編集長と評され辣腕を揮ってきた栗原。妻子ある身だが不倫をし不倫相手と別れたことで、セクハラをしたとの噂を流され、無実であった為児童書部門への左遷で茶を濁された。この授賞式で問題があれば忽ちリストラされかねない状態を自覚せねばならぬのは、人間関係のプロとしてのサラリーマンの習性である。
    受賞式が始まって間もなく、緊急事態が発生、事前に充分な調査が為されなかったのか、或いは栗原の左遷が決まった直後の授賞式だった為か事情はハッキリしないが、佳作を獲った作家が実は可成り売れっ子の現役AV女優であることが判明、授賞式は急遽中段された。

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    2024/11/14 17:42

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