広い世界のほとりに 公演情報 劇団昴「広い世界のほとりに」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     脚本、演出、演技どれも優れていると感じたが、矢張り役者の間の取り方が上手い。

    ネタバレBOX

     一筋縄ではいかぬ作品とみた。台詞構成がユニークで背景にあるもの・ことの単に現代に留まらぬ深さ、複雑性を想起させるからである。作家が英国籍ということである意味得心が行った点もある。オープニング最初の台詞も極めて特徴的である。(実際どんな台詞で始まるかは観劇して確かめて欲しいが)。物語は様々な挿話を構成して一編の戯曲としているが、その各々の挿話のみならず、各々の台詞の中でもその要旨を挫くような、脱臼と迄はいかない微妙な頓挫が仕込まれているのだ。それは恰も現代社会そのものがブルシットででもあるかの如き頓挫である。原作者・サイモンスティーブンスは英国の生まれだからブレクジットとも関係があるかも知れない。(ここでブレクジットを用いているのは、何もEU離脱のみを指さない。イギリスが伝統的に大陸ヨーロッパに対してきた歴史的態度である)翻訳も一筋縄ではいかぬ大変な苦労を要したであろうことは容易に推測できるが、良い訳に仕上がり、演出・演技は無論のこと流石老舗だけあって舞台美術から照明・音響、裏方さんを含め素晴らしい。

    0

    2024/10/05 15:39

    0

    3

このページのQRコードです。

拡大