実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/07/10 (水) 14:00
座席1階
宗教2世をテーマにした物語。キリスト教ふうの「メサイア」がつかさどり、入信した家族は子どもと大人に住居を分けられる。主人公は、幼い頃からこの子ども住居で暮らす少年ミムラ。母親との接触は「愛着は罪。最終的に欲望を生み、世界の平和を壊す」との教えで会うことはかなわない。
俳優は5人だけ。独白が中心となる主人公ミムラのせりふ量がすごい。しかし、よどみなく流れていく物語は、この俳優・坂本慶介の底力を示している。中央に置かれた病院のようなベッドを中心としたシンプルな演出も効果的。主人公が嫌う賛美歌のような音楽も人の心を切り裂くような役割で客席に迫る。
緻密に組み立てられた会話劇で、宗教2世の実態にスポットを当てていく舞台は見事だ。だが、あえて注文したい。宗教2世がテーマなので外れているかもしれないが、人はなぜこのようなカルト宗教に陥っていくのか、この舞台には姿を現さないミムラの母親の物語が少しあってもよかったのではないか。
1時間20分。メリハリの利いた切れのいい舞台で、満足度は高い。