みた
もろもろ、野田秀樹だから評価されてのであって、無名の作家が同じことやっても屁理屈とかこじつけ、あるいはオヤジギャグとか言われるだけで、「言葉遊び」などと好意的に解釈されるとは思えなかった。
過去の戯曲をいくつか読んでみたけれど、今回はあまりキレが良くなかった気もするし。
また、扱った事件も、そこらの小劇団ならば「いまさらこれ?」と切り捨てられて終わる気がする。
野田秀樹だから、様々なメディアが創作理由を問う。
野田秀樹も答える。
ただ本来は、作品中ですべてを語るべきで、解説をそれも公演中にするのは野暮に思う。
出演者はみなほとんど有名。
だけど、彼ら彼女らでやる必然性を見いだせなかった。
芸術監督就任後の第1作だから、ある程度の華やかさも必要だったかも知れない。
ほかの理由だろうか。
でも、年明けの新作告知のチラシにはやっぱり有名人の名が書いてある。
必然的にチケット代はあがるだろう。
地方での公演は難しくなり、ファンは東京まで来なくてはならず、演劇の良さに触れる機会の乏しい人々には、それを知る機会がまた遠のくだろう。
豊かになるのは演劇界でなく、転売屋のふところの気がする。
たとえば今回のような有名人で構成されるチームと、舞台中心で活躍する人々で構成されるチームとに分け、チケット代も変え、競作させるとかは無理なのだろうか。
一方を見たらもう一方はその半券で割引にするとか。
できるだけ客を呼びたいと願うあちこちの小劇団で、そうした知恵は振り絞られているのに。
野田演劇そのものに力が宿っているなら、無名であるから成立しないということにはならないはず。
有名人にこだわる観劇者は、舞台演劇でなく、舞台挨拶に詰めかける人々と変わらない気がする。
蜷川さんは老人たちを率い、鴻上さんは若者たちを率いて現役なのだから、野田さんにもそこら辺なんかやってもらいたい。
国際交流より前に、あるいは同時に、国内の演劇をもっともっと広めて、豊かにしてもらいたい。
内容云々より、そうしたことを強く感じた。
2010/08/22 07:38
2010/08/22 07:33
2010/08/07 02:31
2010/07/31 17:04
有識者の方が読めば、一笑に付されるような内容であるのかも知れませんが、書かずにはいられない気持ちでした。
どこにどう書けば、誰にどう伝わるのか、それすらよく分からないのですが、コメントをいただけると大きな励みになります。
ありがとうございました。