上等な、死因 公演情報 弾丸MAMAER「上等な、死因」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    相当、才能ある作家とお見受けしました
    この劇団は、前回の「喪服の時間」から、見始めたばかりですが、2作を拝見し、竹重洋平さんは、相当、筆の立つ作家でいらっしゃると確信しました。

    この芝居のモチーフになった事故のことは、子どもの頃から、ずいぶん母に聞かされて育ちましたが、まさか、まだ生まれてもいない頃の、実際の事故から、こんな奇想天外なストーリーを生み出されるなんて、それだけで、もう感心してしまいました。

    喜劇かと思いましたが、そうでもなく、なかなか示唆に富んだ内容でした。
    ある意味、「ザ・キャラクター」にも通じるような、人間の不確かさとかがテーマだったように感じました。

    ここの、役者さんは、前回公演でも思いましたが、皆さん、とても個性と目力と演技力があり、役者としてのオーラのある方も多く、観ていて、安心して、芝居に集中させて頂けるので、後1回くらい拝見したら、お気に入り劇団になりそうです。

    ネタバレBOX

    昔あった白木屋というデパートの火災事故が、モチーフになっています。この事故以降、女性は、和装でも、下着をつけるようになったとさんざん、母に聞かされていたので、私は、すっかりその言葉を信じて、恥じらいのある女性が、下着を身につけていなかったために、火事で命を落としたのだとばかり、思い込んで来ましたが、もしかしたら、この芝居で明かされた【事実】が、案外正解だったのかもしれないと、考えが変わりました。

    昭和初期の雰囲気が、衣装にもヘアスタイルにも、きっちり時代考証されて、なかなか本格的で、感心しましたが、それだけに、最初の方の台詞で多様される「けど」という接頭語が、当時は使わなかったのではと思うのと、芥川の死は、当時の人なら、誰でも知っていたのではという、幾つかの不都合な部分が余計気になってしまいました。
    もう少し、笑いがあっても良かった気もしますが、なかなか心理サスペンスタッチで、引き込まれて、観てしまいました。

    前回と全く違うテイストの芝居だったので、次は、どんな球を投げられるのかと、興味が尽きない劇団です。

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    2010/07/29 23:47

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