モダン・ラヴァーズ・アドベンチャー 公演情報 架空畳「モダン・ラヴァーズ・アドベンチャー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    心に響かない言葉の洪水
    12回も公演を打ち、それなりに支持されている劇団なのだとは思うが、自分の好みには合わなかった。
    既にごらんになったかたがたの感想を読み、覚悟して行ったものの、全編、言葉の洪水で息つく間もなし、疲労感ばかりが残り、正直、久々に途中退出したくなる芝居だった。当方、言葉の聴き取りのほうには自信があり、言葉の意味や語呂合わせは理解できたけれど、だから楽しめたかと言うとそれは別問題。
    個性的なスタイルを貫いているとは思うが、作者の自己満足的要素が色濃く感じられた。若い観客たちが多く、終演後「まったく何言ってるかわかんねぇー、わかった?」という声もあり、笑いが起きていたのは俳優の他愛ない動きに対してのような印象だった。どれだけ内容が理解されていたかは疑問だ。
    ☆は1つは長い台詞を書き連ね脚本をまとめた作者へ、1つは膨大な台詞を覚えた俳優へ、それぞれのご努力に対して。

    ネタバレBOX

    プロの覗き屋(意味不明。プロって何?笑)で10年留年中の高校生・三鷹ロダン(岩松毅)。デパートのモデルショウのリハーサルを覗き見していて、修学旅行から置いてけぼりをくらい、担任教諭(加藤愛子)に謹慎させられ、理科室の人体標本模型のハリコ(斉藤未祐)と出会う。ショウの美人モデルのモダン(加藤景子)のためにデザインされた羽衣のように薄いオーガンジー風の透明ドレスをハリコに着せるロダン。世界的人体デザイナー(赤城智樹)、マネージャーらしき男(山本駿)らが入り乱れてのドタバタ劇が展開。ロダンが以前、入浴中を覗いて忘れられなくなった美女の背中が実はロダン自身の背中であったというオチがあり、結局、自己愛が強い若者ということになるのだろうか。
    言葉の洪水は心に響かず、劇としての感動は自分は体験できないままに終わった。やたら「ヨダレ」という単語を多用するので、聴いているだけで気分が悪くなる。言葉の洪水がテーマと効果的に結びついて、初めて観る人にも理解できるような形であればと思うが、最初からそんなことは意図していない劇なのかもしれない。
    俳優は膨大な台詞にがんじがらめになっている感じで、滑舌も悪いからよけいに観ていてイライラする。
    カラフルな宣伝美術、ハリコとモダンの美しい舞台衣裳や、菱川師宣の見返り美人と月に雁がね(?)、いろは文字とあいうえお50音を描いた墨絵の屏風ふうパネルやデパート建築のファサードの舞台装置はなかなかよかった。
    人体模型のハリコの内臓が説明文どおり半身だったら、もっとよかったけど。
    パンフレットの活字が極端に小さく文章ギッシリ、配役表も載っていない。とことん旧世代の観客に優しくない(笑)。

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    2010/07/29 14:20

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