スネーク・オイル 公演情報 不条理コントユニットMELT「スネーク・オイル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     今作、MELTの本公演としては3作目の作品であるが、小生は初見の演劇ユニットであった。新しい才能発見! 断固ベシミル!! 華5つ☆作品である。(追記3.9)

    ネタバレBOX


     今作品を観たいと思ったきっかけはこのタイトルから何やら怪しい“ぞよめき”のようなものを感じてであったが直観は表面的には当たっていたと言えるかも知れない。この単語。元々は米国で用いられたスラングだとのことである。だが無論、そんな表層のみで終わる程単純な作品ではない。寧ろ極めて知的で深くアイロニカルな作品である。
     今作品を観たいと思ったきっかけはこのタイトルから何やら怪しい“ぞよめき”のようなものを感じてであったが直観は表面的には当たっていたと言えるかも知れない。この単語。元々は米国で用いられたスラングだとのことである。だが無論、そんな表層のみで終わる程単純な作品ではない。寧ろ極めて知的で深くアイロニカルな作品である。
     因みに今ユニット、お目見え1年半。今作が3回目の本公演と極めて若いユニットだが若々しさは今作に充満するエネルギー及び斬新で鮮烈な切り口に現れており、至る処に振りま敵かれた擽りの表皮の下には剃刀のようなアイロニーが控えている。オープン早々演じられる王様ゲームでも見る目のある者が一目見れば直ぐに分かる我々が実際に暮らす国の底を流れるタブー視されている本質に対する強烈なアイロニーが見て取れるし、その後の展開でも現況を訳が分からない状況と率直に観て作品を形象っている。この事実は頗る重要である。何となれば人々は疑心暗鬼に陥りその表層である“心”は何とか平静を装いつつ、その根にある魂を根底から腐らせてしまったので己自身の深い所でその事実を隠蔽し、然も隠蔽した事実に蓋をして自らに映じないようにした上で「社会」に「参加」しているからである。このような魂の死が何を我々に齎したかを観る為の方法は徹底的に率直であることだが、そのような態度を保ち乍ら生きることは己の頭脳を最大限に活用し自らバイアスをとことん排除して世界と対峙する他はない。即ち徹底した率直に徹する他ないのである。今作はそのような視座で世相を観て初めて創り得た作品と言える。
     結果的にこの手法を用いて描かれているが、その手法は科学的アプローチ及び人文学的アプローチを同時並行的に描きつつ、その合間に多用な擽りを入れて現実に現在起きている世相を反映して時代の心情を取り込んでいる。例えて謂えば分からない対象に対するに最も有効な手法である科学的アプローチを脳とするなら、言語を用いて考察する人文学的アプローチを骨としこの2要素を用いて他の同類と交錯する関係性から紡がれる諸関係をヴァレリー流身体を通しての個vs世界として俯瞰した有様と、私は観客の1人として観じた訳である。
     脚本の巧み、演出の良さは無論だが、役者陣の演技。とりわけ間の取り方の上手さが光る。場転・暗転を含め物語の展開に全く悪影響を及ぼさないのは間の取り方が抜群である為、総てが自然に流れるように展開するからである。舞台美術やフライヤー、タイトルセンスも見事である。

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    2024/03/07 10:40

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  • 皆さま
    遅くなりましたが、追記しておきました。
    御所浦下さい。
                   ハンダラ

    2024/03/09 14:15

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