リア 公演情報 理生さんを偲ぶ会 「リア」の観てきた!クチコミとコメント

  • アジアの予感…がある。
    岸田理生を偲び毎年行われているフェスティバルでの特別公演。
    スタッフは演出のキム・アラだけでなく、
    舞台美術・パク・ドンウ、
    音楽・演奏・キム・キヨン、
    映像・チェ・ジョンボム、
    衣装・キム・ジヨン、
    と、スタッフを韓国から迎えている。
    特に秀逸だったのは、舞台美術と音楽。
    オープンスペースの小劇場に、
    両脇に客席が作られ、
    真ん中が舞台空間となっている。
    普段使わない大戸が開かれたままで、
    これもまた、舞台装置として使われていた。
    床面に、新聞を敷き詰めてあり、
    出入りが四方からという、
    自由な使い方がされていた。
    舞台奥中央にグランドピアノが置かれ、
    その生演奏による音楽、歌が、
    非常に印象的。
    アングラっぽい雰囲気の空間でありながら、
    古さを感じない。
    むしろ、おしゃれとさえ言える。
    これだけでもお値打ちでした。

    俳優陣は、質的には多少ばらつきがあるものの、
    音楽に載せて動き、セリフをしゃべるので、
    その統一感が、心地良い。
    ベースにあるのはもちろん、
    シェークスピアの『リア王』。
    しかし、ラストは見事に書き換えられている。
    リアを救うべく末娘は死に、
    リアもまた死んでしまう。
    そこにはない救いのなさは、
    混沌を思わせる。
    回復の兆しは、観客にゆだねられたようだった。

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    2010/07/12 13:26

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