クロノスとカイロス 公演情報 FREE(S)「クロノスとカイロス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     脚本が良い。

    ネタバレBOX

     物語に登場するハナミズキは北米原産の樹。樹高は5~7mになり1912年日本から桜が贈られた返礼に日本に贈られたことで広まった。花季は春、花色は白、紅がある。落葉樹なので紅葉も楽しめ実も赤く色づくので庭木や街路樹としても人気がある。花言葉は「私の想いを受けとめてください」「永続性」「返礼」と幾つかあるが、今作では1番目が最も強いものの、2番目、3番目の意味をも含むように思う。これは今作のタイトリングとも呼応しあっている。オープニングで先ずハナミズキに触れるのは、母・みずきの霊が可視化され何くれとなく随所に登場する光景に重なりながら展開するストーリーをも構造的に表しているから勘の良い観客はこの時点で物語のアウトライン迄観えてくる仕組みだ。中盤以降は、これらのことの意味して居たもの・ことが普通より一歩踏み込んだ深い台詞の意味する処として顕現し涙を誘う。父が倒れることは、伏線として何度も頭痛に襲われることから簡単に察しが付くことと、クライマックスを交差させる手腕も良い。前半、三女やその友人たちのキャピキャピしたような現代日本のチャラケ場面も出てくるがこのキャピキャピの底にある深い失意や世界の実態を知らずに迷妄の精神世界に在る子供たちが判断や結果だけを求められると思い込まされて居ること。そのことが分かっている大人は数少なく分かっていることを子供たちに伝える術を持たない。これらのギャップの奥にある日本の劣化をも踏まえ、それらを批判するというより更に深く考え実践すべき実存的方向を示したキラリと光る幾つもの台詞が構成した脚本の深さがグー。尺は約105分。

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    2023/11/26 13:57

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  • 皆さま
    ハンダラです、遅くなりましたがアップしました。
    ご笑覧ください。

    2023/11/26 14:16

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