ちょんまげ手まり歌 公演情報 劇団演奏舞台「ちょんまげ手まり歌」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     べし、観る! 素晴らしい。華5つ☆ 追記後送
     劇団創立50周年記念公演Ⅲとして上演された今作。50周年記念公演としては最終作である。何れの公演も何れ劣らぬ素晴らしい公演であったが、今作の脚本、演出、演技、演奏、舞台の使い方など見事な完成度である。原作は上野 瞭、脚色・台本が江深シズカ、演出・音楽・美術が浅井 星太郎である。

    ネタバレBOX


     板上は上手ホリゾントと側壁に沿い奥の出捌けに向かって階段状にせり上がるように平台を積み重ね登退場が効果的に見えるように工夫されると同時に、下手演奏者の奥の側壁に更に出捌けを設けることで今回登場人物が多い点を難なくクリアしている。上手側壁には大きな扇子が開いた状態で掛けられている。これら以外の空間が基本的な演技空間である。オープニングでは、この板上にかなり大きな手毬が置かれ明転と同時に女児が手毬を投げ上げて掴まえる遊びを繰り返している。背景には無論、手毬唄が流れている。重ねるように、このやさしい国の殿様の名代を務める玄蕃から、女児・みよの父・池之助に「池之助、みよは幾つになった」との声が掛けられる。
     物語は山がちの内陸国で田も畑も極めて乏しく海にも面していない為漁獲も望めず、できる物といえば夢見の実という万能薬の原料のみという限界集落の極めて必然的な政治形態とそこで暮らす人々の生活を対比的に捉え一方に為政者の論理とその論理を成立させる為の政治的欺瞞、それらの嘘を擁護・補完する為の詭弁を他方に自らの頭で考え疑問を抱き事実を求めて真実を見出そうとする民と民の代表として為政者サイドと交渉する殿の相談役・弥平と先に年齢を問われたみよが規定の年齢に達し池の助は既に妻とみよの姉たち2人をお花畑に送ったこともあり、末娘のみよだけは優しい女となる儀式に参加することと決まったことを通して、みよの命が永らえることを喜び、玄蕃直々にみよを迎えに来ることにも感謝をしていたが、弥平に取りついた“虫”が自分にも取り憑いたと感じる出来事があった。然しお花畑へ赴くことは還らぬ人となることを意味し、命を永らえる為にはもう一つの選択肢やさしい女か男児であればやさしい男になるしか道は無かった。

    0

    2023/10/14 13:06

    1

    3

このページのQRコードです。

拡大