福寿庵【再演】 公演情報 演劇企画アクタージュ「福寿庵【再演】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     初日を拝見。今回の舞台美術は劇団の皆で作ったというが、蕎麦屋らしい茶と黒、白がベースの落ち着いた佇まいを見事に表現しており美しい。出捌けは正面奥のカウンター席裏に導線を設けて1か所、下手側壁の暖簾の掛かった場所、そして上手側壁に設けられた福寿庵(ぽんぽん)の入口の3か所で合理的。尺は105分程。(追記後送)初日が終わったばかりなので、後は観てのお楽しみ。華4つ☆

    ネタバレBOX


     因みに福寿庵の横の()内に示したぽんぽんは、店長・庸助が溺愛した妻・咲が近くの神社にお参りした際、狸の像を見て子宝に恵まれるよう、またその可愛らしさに絆(ほだ)されて提案し広まったこの店の愛称である。面白いのは咲は毎日お参りにお供えとして持参するのが、店の隠れ人気メニューの稲荷寿司であることだ。当然、狐を神としたお稲荷さんへのお供えに対するジョークである。まあ、咲が極めて重要なキーパースンなので店の中央奥のカウンター席に設えた棚には水差しなどと共に狸の置物が鎮座まします。このカウンター上手には、履物を脱いで上がれる客席があるが、物語の中で余りキチンと用いられないのが残念ではある。
     さて物語は、この店の歴史に関わって展開するが、庸助が、咲とのデートの際食べに行った蕎麦屋の味が格別で咲が「このお蕎麦おいしい」と呟いたのが原因である。それほど庸助は咲にぞっこんであった。福寿庵と名付けたのは七福神にあやかったのか否かは不明だが、当初この店名に同意していた咲がそば処・ぽんぽんと命名し直したのはお参りに行った際の狸の像のお腹を見て妊娠を想像し早く子宝を授かりたいと強く願ったという経緯がある。結局、咲にぞっこんの庸助は、これを暗に認め常連客の間ではもっぱら、ぽんぽんの名が使われるようになったという訳だ。

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    2023/09/15 13:32

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