実演鑑賞
満足度★★
演劇鑑賞会にて 2023.8.2
鋭い観察眼と綿密な取材を元に人間や題材を多面的にとらえる戯曲で数々の賞に輝く横山拓也(俳優座HPより)の作品ということで、かなり期待していた。
3年前の評判作とは思えない、拍子抜けの舞台だった。役者が、とても高校生には見えなくて戸惑う
健の父親が自分の母親の介護を選ぶのも息子として一つの選択かもしれない。だが、自分や家庭を捨てた夫に彼女はどれ程絶望し苦しんだろうか。母子家庭の生活苦から酒や薬に溺れた彼女を私は責められない。養育すべき我が子に依存してしまうケースも珍しくない筈だ。
彼女は果たしてモンスタークレーマーなのだろうか?
結婚願望がありながら、同僚の既婚教師戸倉と不倫をしていた教師の浦川に、これもまた「結婚の現実」であることを垣間見せたかったと思う。
わずかな間に劇的に変わっているジェンダー観の変化に舞台はついて来られたろうか。