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U-33project「
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」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10439)
実演鑑賞
満足度
★★★
ヒロイン・ソラは、
ネタバレBOX
宇宙の涯へ行ってみたいという漠然とした想念を抱えている女子高生だが、それを具体化する為に何か宇宙に関する情報を得るとか、宇宙の生成や構造、そこで働く様々な力、そしてそれらを理解し具体化してきた研究の基礎となっている物理的諸理論等は一切知らないという設定になっており、ソラ同様宇宙の涯へ行くことを夢見る転校生で優秀なあかりも、卒なく諸疑問に応答するも一切具体的な科学的理論は開陳しないという書き方をすることによって、ひとまず演劇的破綻を回避すると共に、作品としての具体的リアリティーを成立させることができない。一見したたかな戯曲作成法だが、勉強不足が明らかである。
面白いのは発想で、惑星をゲットしその惑星に住んで宇宙航行をしようという、重力も航行に必要なエネルギーや航法も無視した子供っぽい着想である。同時にその惑星ゲットは缶コーヒーに付いている応募券を集めて応募し当選すれば惑星が貰えるという奇天烈なモノ。とは言え学校生活に於ける締め付けや有象無象の反駁を恐れる余り押し付けられる諸規制の耐え難さから逃れたいという強烈な欲求が見て取れ、その辺りの耐え難さや理不尽、バカバカしさを日々経験させられている我々日本人には納得のいく背景がある。自分の高校時代のように激動がスパークに結びつき大切な友人が自殺するようなことが多発し、自分たち自身も数々の運動に関わって傷ついたり大怪我を負ったりしつつも何か生きているヴィヴィッドな実感とニヒリズムや、自ら抱え込んでいた二律背反と格闘する時代ではなく、時代の革新的な変革とそれが社会や人間そのもの、環境に与えるものを情報の捉え方や節理を考えもしない人々は正確に捉えにくくなり、己の主体自体が雲散霧消してゆくかの如き時代にあって、厳密で正確な認識を目指すこと自体が困難なのであろうことは容易に想像できる。そういった世相感覚は可成り反映しているとは観た。一方、惑星に乗って宇宙の涯を目指す住人たちは、世代を重ねて航行してゆくのだが、男性は殆ど居ない。当然遺伝的な問題が出来する筈なのだが。まあ、IPS細胞を用いてコピーを作るなど観客の知識に頼って丸投げしていることは予想されるものの作品としての自立性は弱い。演劇という表現手法が、登場人物に代表される多くの人々を代替するのは常識であることは承知しているが、今作の設定では代替されるべき諸個人と実際に登場している人物たちが必然的に繋がる要素が一切ないから以下のようなことも書きたくなる。一般に絶滅を危惧される生物が遺伝的悪影響を被ることなく後代に生き残る為に最低必要とされる個体数は80であるから、こういった点の問題性に一切触れていない点も余りに非科学的でリアリティーに欠け観客に納得感を持たせることが出来ない原因となっている。
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2023/05/26 17:49
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