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公演
原色★歌謡曲図鑑
観てきた!クチコミ一覧
クチコミとコメント
公演情報
株式会社ビーウィズミュージック「
原色★歌謡曲図鑑
」の観てきた!クチコミとコメント
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ハンダラ(10433)
実演鑑賞
満足度
★★★
一所懸命に演じていることには好感を持ったが、華3つ☆
ネタバレBOX
「サザエさん」「ドラえもん」と並ぶTV界の長寿番組“原色★歌謡曲図鑑”は、独自のリサーチで歌手ランキングを発表、多くのスターを輩出してきたことで知られる。ベスト10入りした新人歌手は必ず局のサイン帳に自分の名前、記帳の日付、ランキング曲名を記すことが義務付けられ基本的にはスタジオで、無理な場合はスタッフが歌手の下に出向き生放送をするスタイルで放映されてきた。
今作で主人公となるのは、坂口シン。元浅草の寿司職人である。偶々、この寿司屋に入った作曲家・筒井太平(後、シンの恩師となる)は、シンの呼び込みの声を聴き、その声音に歌手としての才能を見出し「歌ってみないか」と声を掛けた。これがきっかけとなり、シンは作曲家・筒井のやっている音楽レーベルに所属し歌のレッスンに励んだ。結果“原色★歌謡曲図鑑”のトップ10にランキングされることとなった。初ランキングの日、シンは師と共にスタジオ入り、生放送が開始されたが、直後大地震に襲われた。大混乱の中、数々のスターがスタジオ入りする際に通って来たミラーゲートを逆走した。1987年のことであった。するとシンは時空を飛ぶことに。時空の狭間でシンは“原色★歌謡曲図鑑”を差配するロボットに出会った。ロボットの説明するところによると、シンが時空を彷徨うことになった原因は、地震の被害を避ける為、シンが咄嗟にミラーゲートを逆走したことが原因だという。というのも数々のスターがデビュー以来ランキングされる度に通って来たこのゲートは不思議な力を持ち、その力によって時空を歪めタイムスリップが起こったのだという。彼がロボットと出会った時空は何処へ行くか未だ定まらない時空の狭間である。丁度ギリシャ神話の中で冥界が生界と死界の狭間に想定されているようにこの発想は自然発生的で安定感を齎す想定である。同時に真のアーティスト達が目指すべき表現では独自性が求められるのであれば、その意味で今作は最初から本質的エンタメであることを免れない。タイムパラドクスの扱いも突っ込み所満載であるが、まあ許すとしよう。
さて、シンが飛んだ時空は36年後、場所は所属していた筒井の事務所であった。恩師は3年前に他界、現社長は恩師の娘・ルナ。世の中は完全に様変わりしていた。1987年当時には思いもよらなかったパーソナルコンピューターが世界を席巻したばかりではない。一般人にとってはSFの中にしか登場しなかったTV電話は、掌に収まるサイズになり誰もが持ち歩き日常の具と化しているばかりではなく、ITと称される技術の進歩によりメディア状況そのものが大きく変化していたのだ。このような状況の大変革は、業界の経営戦略にも大きな相違を齎していた。一方、父亡きあと新社長となったルナは、歌手は個々に時間と金を掛けて育ててゆくもの、との信念を持ち、大学で同期だった而も大手業界企業に内定が決まっていたのを蹴って筒井事務所に就職し販売促進部長を務める染谷の、数値が総てとの経営戦略とはことあるごとに対立していた。パンデミックの影響もあり、中小企業の倒産は掃いて捨てる程もある。社の存続の危機の中、対立ばかりで進展のなかったこの音楽レーベルの未来や如何に?
ところで、シンがロボットと別れた後、ロボットが無くなったと大騒ぎしていた物は一体何で、どんなことが起こると予想してロボットが慌てていたか? が観劇の楽しみとなろう。また、趣味で作曲しているコウのその後は? 太平が、社に関わる個々のスタッフに訓示していたことと、激変する状況との関わりは? などに注目して観ると良い。
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2023/05/14 10:38
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