手のひらに、春 公演情報 ツイノ棲ミ家「手のひらに、春」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     繊細で上質、観るべし!

    ネタバレBOX

     鰻の寝床のような空間であるが、ホリゾント手前に白い幕を天井から床まで垂らして袖を作り、開演時は画廊という設定なので板上はフラット、両側壁には絵の描かれたパネルが3点づつ掛けられている。場面に応じて袖の幕の手前に立方体を並べてカウンターを拵え、コンビニのレジとして用いたりもするが、袖を構成する幕自体が、開演時画廊としての設定では個展の出展者が一番描きたいと望んでいた作品を据える場所として選ばれた場所という設定になっており、今作の中心的なテーマと関わる非常に重要な場所である。今作が優れている点の中でも出色だと思われるのは、最後迄此処には実際の作品が展示されず、観客のイマージュの中にその姿が想像される点にある。極めてセンシブルな作品なので内容の詳細は差し控えるが、表現する者の抱える絶対的な孤独と社会参加を何とかし続けることで自らを確認し生きてゆく人々との微妙で精緻なずれや内面的齟齬を、連れ子を持つ親同士の再婚という形で二卵性双子姉妹という具合に見られ乍ら育った姉妹の物語として編んだ秀作である。因みに出捌けは観客席裏と袖を利用。演技、演出、スタッフの対応も良い。

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    2023/03/26 11:11

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