アメリカン家族 公演情報 ゴジゲン「アメリカン家族」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    「家族の形」って……
    「再生の物語ではない」とのことでしたが、多少風変わりではあっても、これはやはり「家族の絆(とその重要性)」に焦点を当てたものに見えました。

    母が出て行った後の、荒れ果てたリビングとダイニングを舞台に描かれるのは、非行、引きこもりなど、それぞれに問題を抱えた家族の、なじりあいや暴力をも交えた激しいコミュニケーション。とはいえ「そろって誕生日を祝う」ことへの異常なこだわりも手伝って、その様子はどこか滑稽にも見え、笑いを誘いさえします(このあたりは俳優の魅力でもありますね)。












    ネタバレBOX

    家族やその一人ひとりの登場人物が抱えるドラマを描くというよりは、この不恰好な関係性、その激しさ(ポジティブな面もネガティブな面も)の方を描くことに力点が置かれているので、舞台上の盛り上がりとはうらはらに、登場人物の心象や動機が追いづらく、多少戸惑いを感じる部分もありました。特にこの家に「他者」としてやってくる(居候含め)4人のありように関しては、もう少しリアリティーなり、モチベーションなりが見えても面白かったと思います。

    個人的にとても興味を引かれたのは、
    ここで描かれる激しいやりとりが、結局は(他者の交わらない)いわゆる「家族の形」の中に回収されていくということ。エキセントリックに見えても、この家族ははじめから壊れてはいなかったのか、あるいは作り手の側に強い「形」への憧れがあるのか……。

    いずれにせよ、ひとつの「家族観」を見るという意味でも考えさせられる上演でした。

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    2010/05/04 23:06

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