アプロプリエイト―ラファイエット家の父の残像― 公演情報 ワンツーワークス「アプロプリエイト―ラファイエット家の父の残像―」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「Appropriate」はBranden Jacobs-Jenkins(1984-)の2014年の作品で「An Octoroon」と合わせてObie賞のBest New American Play部門賞に輝いた(参考:Wikipedia英語版)。ワンツーワークスは以前に彼の代表作のひとつ「グロリア」を上演したことがあるが、私には良さがさっぱり分からなかった。しかし本作は非常に分かりやすく60分+10分休憩+90分の長丁場を退屈することなく楽しむことができた。最後は疲れたけど。

    物語は田舎に暮らしていた父が亡くなって、後始末に集まった姉・兄・弟の3人と彼らの家族の怒涛の罵り合いである。相手の技をしっかり受けてからこちらの技を繰り出すという言わば口喧嘩のプロレスである。関谷美香子さん演じる姉トニーが小山萌子さん演じる兄嫁レイチェルのマシンガントークを受け止めてからの余裕の反撃には痺れた。多勢に無勢で負けが込んで行くのもご愛敬。

    亡くなった父の恥ずべき過去が人種差別主義者だった(らしい)ことが全編を通しての柱となっているのは2023年の今にはあまりピンと来ない。ニュースでKKKの話を聞くことは無くなったのであの装束が出てきたときは懐かしさを覚えたほどだ。

    いつもは暗転の代わりに行われるmove(stop&go のダンスパフォーマンス)が無いのかと思っていたら一番ピッタリなときに爆発した。やっぱりこれがなくっちゃ。

    ネタバレBOX

    弟嫁のリバー(高畑こと美)が要所要所に印象的に登場し、思わせぶりな会話もあるので何か大きな秘密があるのかと思ったが結局何もなかった。ここはがっかりポイントだ。

    最後、家が朽ち果てて行く様を短時間での大道具の移動で表すのは苦労の割に効果は薄い。家そして家族が崩壊して行くというのは観客の脳内で十分補完可能だ。それに最後は早く帰りたいし。ああでも結局家が売れなかったということを確認するという意味はあるなあ。

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    2023/02/18 01:37

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