~粋にイ・江戸・ロ「虎」でしょ成る~ 公演情報 イエロー・ドロップス「~粋にイ・江戸・ロ「虎」でしょ成る~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    落語と芝居の楽しさが、きちんとあった
    落語を演じてみせるという芝居は数々あるが、言ってしまえば、オリジナルの物語が面白いのだから、物語としては、そうそう失敗は起きないと思う。

    とはいえ、コメディとして成立させ、観客をそれなりに笑わせたり、楽しませたりするのは、よく知られた落語だけに、逆に大変かもしれない。

    そういう意味では、今回は、シンプルに楽しませてもらったと思う。

    ネタバレBOX

    落語をシンプルに芝居で見せる、というと、前に観た「噺劇(しんげき) 」というものがある。
    これは、関西の落語家・桂九雀さんが中心になって行われている企画だ。

    特に大道具なども使わずというあたりも噺劇と似ていて、ついつい比べてしまった。
    噺劇のほうは、落語家さんが中心になっているし、落語家さんの出演もあることから、端正に、きちんとした落語を演じているという雰囲気がある。
    翻って、イエロー・ドロップスのほうはというと、顔を白塗りにして、コメディというより古い喜劇っぽさが全面に出ているところが異なる。

    落語自体も同じ演目であっても噺家さんによって、特色が出るということを考えれば、どちらがいいか、というものではないだろう。
    結局は、両方とも面白かったのだから。

    さて、今回の公演は、小さな空間ということもあり、密着度が高く、雰囲気はとてもよかったと思う。
    白塗りながら表情もよく見えたし。

    ただ、休憩を挟んで前半は、数本の落語とマクラのような短編を数本上演したが、20分程度の中編2〜3本でよかったのではないかと思った。
    そのほうがじっくりと1つひとつを楽しめたと思うからだ。
    後半は、「死に神」を1本じっくりと演じていたので、面白さが満喫できたと思う。

    役者さんたちは、数多くの役を演じ分け、それぞれ熱演であったが、「死に神」で主人公を演じていた男優の、独特の表情と身のこなし、「縁切榎」でおばあさん役を演じていた女優さんの、これもまた独特の表情と身のこなしは、ここぞというところで、ちょっとオーバーな動きと表情で古い喜劇っぽさが爆発していて、特に印象に強く残った(つまり面白かったのだ)。

    ただ、やはり白塗りの顔は段々慣れていくものの、やはり違和感は否めず、普通にやったほうがいいのでは、と思った。

    また、男性の髷が、一部分を除き、町人の話なのに、侍風だったのがとても気になった。今後も落語をネタに続けていき、髷を使うのならば、このあたりは考えたほうがいいかもしれない。

    また、さらに細かいことだが、「ひったくり」と言っていたが、これは「追いはぎ」じゃないとオチないんじゃないかなと。

    ついでに言うと、このタイトルは読みにくいし、もっとシンプルにしたほうがよいのでは。

    話芸である落語を、芝居のフォーマットでビジュアル的に見せることで、成功した演目もあり、このあたりのセンスがもっと盛り込まれていけば、さらに独自の世界に進むのではないかとも思う。

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    2010/03/10 07:04

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  • サヒガシさん

    再びコメントありがとうございます。

    白塗りですが、難しいですね。やっぱり。皆さんがずっと考えて出たことなんでしょうから、私が簡単に言うレベルのことではなさそうです(笑)。

    ただ、歌舞伎のメイクは、ご存じのとおりそれ自体に意味がありますので、役を変えるたびにメイクを変えるのは大変でしょうし、何より、舞台のサイズがありますので、今回のサイズのような舞台では、きつすぎるでしょうね。

    落語モノ以外の演目も是非見てみたいですね。
    (落語モノの雰囲気がよかったので、こちらもまた見たいですが)

    ちなみに「面白い演技」とは、喜劇風のちょっとオーバーな表情とか動きが白塗りの雰囲気に合っていたということです。

    夏の公演楽しみにしています。

    2010/03/20 07:58

    キッス、懐かしいですね~。

    白塗り、そうですね、思案中でございます。
    白塗りをする事でね、ア―ト?と漫画?の狭間を行ったり来たり・・。
    本格的に歌舞伎メイクとかしたらどうなんでしょうかね。

    落語話の脚本じゃない場合は、白塗りはしていないんですよ。

    あと、演出家を変えての場合、白塗り無しで「らくだ」を演じた事も。

    このスタイルは2008年の作品から今回で4本程、演じてまいりまして、
    認知されるまでは・・・例えば「アキラ」さんにご覧に頂けるまでに、
    2年はかかるという・・・。

    多くの方々にまずはご覧になって頂ける環境作りも作品を生み出すくらい、
    重要な事と日々感じております。

    ですで、こういったご感想など、ありがたく思っております。

    「面白い演技」・・ありがとうございます。笑)
    白塗りしても誰が演じたか分かるように、パンフなども工夫したいと思いました。

    これらもご贔屓によろしくお願い致します。
    (夏が来る前には1本、うちたいと思っています)



    2010/03/18 22:08

    サヒガシさん

    コメントありがとうございます。

    髷は予算の関係ですが・・・笑。じゃしょうがないですね。

    白塗りは、それで世間に認知されてしまうと、逆に取れなくなってしまうような気もします。キッスというバンドはメイクで注目を浴び、その後一時、メイクを落としましたが、結局、またメイクに戻りましたから・・・。

    とはいえ、これは劇団の戦略でしょうから、私の感想ということだけです。というよりは、今回の出演者は、誰が誰だったのかがわからなかったのが、ちょっと残念です。面白い演技だったりしたので、名前は知りたかったです。

    2010/03/15 05:34

    追いはぎ、なんですよまさしく。そうですね「ひったくり」言葉の選択が甘かったですね。
    白塗りをいつ卒業するか、悩み中なのですが、
    まだ世の多くの方々に認知されていない集団なので、ある程度の人数の方々に、
    気づいてもらうまで、もう少し塗ってみようかと。

    髷はですね、これ、ここでの話ですが、単純に予算です。笑)
    歌舞伎的なパロディ―を狙ったのですが、そうですね、なんかそういうとこ、
    しっかりしないとダメなんでしょうね。

    独自の世界ですか!ありがとうございます。
    精進したします。

    このような長文、感謝でございます。
    今後の参考に致します。

    2010/03/13 00:56

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